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 AI(人工知能)を導入している企業(AIベンダーは除く)は4.2%。PoC(概念実証)まで実施している企業でも4.8%にとどまる――。情報処理推進機構(IPA)が2020年2月26日に公表した「AI白書2020」で、日本企業のAI導入の低迷ぶりが浮き彫りとなった。

 IPA はAIの動向を経営者や技術者、業務担当者などに伝えるためAI白書を手掛けている。これまで2017年に「AI白書2017」を、2018年に「同2019」を発行済みだ。AI白書2020年を作成するため、IPAは2019年7月24日~9月9日に68業種の約7000社にアンケートを送付し、541社から回答を得た。

ユーザー企業のAI導入状況
ユーザー企業のAI導入状況
(出所:情報処理推進機構)
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 IPAは前回の「AI白書2019」でAIを導入済みと回答した企業の割合を3.1%としている。第3次AIブームとされるなか、この1年で導入企業の割合は1.1ポイントの増加にとどまった。

 「(AI白書2020は同2019より中小企業の割合を増やすなど)母集団が異なるので一概には言えないが、AIの導入が進んでいない現状が明らかになったのではないか」。調査に当たったIPAの小沢理康社会基盤センター産業プラットフォーム部兼イノベーション推進部エキスパートはこう指摘する。

 

課題はコストと人材

 なぜAI導入が広まらないのか。白書のアンケート結果にヒントがありそうだ。AI導入を「検討中」あるいは「関心あり」とした企業に「AI導入を検討するに当たっての課題」を複数回答で尋ねたところ、トップは「自社内にAIについての理解が不足している」で55.0%だった。

AIを導入するに当たっての課題
AIを導入するに当たっての課題
(出所:情報処理推進機構)
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 2位は「導入効果が得られるか不明である」で40.8%、3位は「導入費用が高い」で36.0%と続いた。AIについての理解不足や導入効果の不明度、高コストが課題であると明らかになった格好だ。