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 書類選考も面接も無し、空いている時間や働きたい時間にスマホから気に入った仕事を選んで申し込むだけ。勤務時間は3時間ほどから――。

 「単発アルバイト」のマッチングアプリ「タイミー」が伸びている。2018年8月のサービス開始以来、飲食業や小売業を中心に8000店舗が導入した。人手不足が社会課題となるなか、働き手の確保に困る企業のニーズを捉えた格好だ。ネットで単発の仕事を請け負う「ギグエコノミー」を突き詰めたサービスともいえる。

条件が合えば即採用

 「目指したのはスマホ最適化。アルバイト求人に関する無駄なプロセスをとことん省いた」。タイミーを運営するタイミー社の小川嶺社長は、サービスの特徴をこう語る。

タイミーの小川社長は22歳、「最年少の上場を目指す」と宣言する
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 学生などの求職者(ワーカー)はスマホアプリを開いて地図やカレンダーなどから希望の求人案件を選んで申し込む。求人案件は1時間から数時間単位で、求人条件に合っていたら即採用となる。

 「従来の求人媒体を使うと、採用企業には面接などに時間と手間がかかっていた」(小川社長)。アルバイトが終わると、ワーカーのアプリに報酬が即座に支払われる仕組みだ。

 同社にはサイバーエージェントやセブン銀行、人材サービスのエン・ジャパンなどが出資する。セブン銀行との間では、同行の口座からワーカーが報酬を即時に引き出せるようにした。

ちゃんと働けば報われる社会に

 小川社長はワーカーが仕事をこなして積み上げた実績データとAI(人工知能)を使って、タイミーのサービスをさらに洗練させる考えだ。そのために働き手としての信用度を数値で表す「信用スコアリング」の技術開発を急いでいる。

 計画では信用スコアを基に、ワーカーのグレードを付ける制度を今夏にも導入する。グレードの高いワーカーには、有利な求人案件を優先的にアプリ画面に表示したり報酬を前払いしたりといった優遇措置を提供する。

 同スコア算出にはまず求人企業からのワーカーに対する評価結果のデータを使う。ワーカーの仕事ぶり全般を評価する「good率」や時間通りに出勤したか、また仕事を頼みたいかといった点も加味する。

 タイミーを使って働いた回数など、ワーカーのふるまいも信用スコア算出に使う。ユニークな取り組みでは出勤の記録に使うQRコードの読み取りタイミングを加味する。

 タイミーを使って出勤を記録する際には、店側が用意したQRコードをワーカーのスマホで読み取る。読み取った時間が業務開始時間に対して余裕があれば、ワーカーに「計画性がある」とみなす。

 反対に業務開始時間ギリギリの状態が何度も続くワーカーのスコアは下がる可能性がある。「勤務実績のデータを分析すれば、ワーカーの人間性が見えてくる」(小川社長)。