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 2021年卒予定の学生の就職活動を新型コロナウイルスが直撃している。就活情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアや同業のマイナビは相次いで合同企業説明会の中止を発表した。リクルートキャリア就職みらい研究所の増本全所長は「学生、企業ともに先行きの見えない状況に不安を抱えている」と話す。

 優秀な学生を採りたいIT業界も、集団感染の回避へ対応を急いでいる。富士通はグループ会社を集めて2020年3月8日と14日に実施する予定だった就活生向けセミナーなどの大規模イベントを中止。学生に周知するとともに、「Web配信への切り替えに向けたコンテンツ作成などを急ピッチで進めている」(同社)という。準備が終わり次第、採用サイトから視聴できるようにする。

 LINEは2月26日から採用面接をオンラインに切り替えており、3月4日には切り替え措置を同月31日まで延長した。「今後も状況を見て適宜判断していく」(同社)。USEN-NEXT HOLDINGSは2月27日、グループ企業の新卒採用において会社説明会から最終面接までの全選考プロセスをオンラインで実施すると発表した。

問い合わせ件数が22倍に

 こうした状況の中で注目を集めているのが、インターネットを介した面接や会社説明の動画配信などオンライン選考を実現するサービスだ。面接の評価や録画、選考状況を一元管理して担当者で共有するなど採用活動を支援する機能を備える。Web面接ツール「インタビューメーカー」を提供するスタジアム(東京・港)の前沢隆一郎執行役員は「新型コロナ拡大前と比べ、1週間あたりの平均申込件数が22倍に増えた」と話す。

「インタビューメーカー」を使ったWeb面接のイメージ
「インタビューメーカー」を使ったWeb面接のイメージ
(出所:スタジアム)
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 同社は2020年1月28日、要望する企業に同社のツールを期間限定で無償提供すると発表した。1対1の面接を30回まで利用できる。当初は「Web面接を始めたい」という要望が多かったが、合同企業説明会の中止が相次ぐにつれて「企業説明会やグループ面接もオンラインで実施したい」との要望が増えていったという。このためスタジアムは2月20日、無償提供するサービスの範囲を拡大し、複数人のグループ面接や企業説明会にも対応できるようすると発表した。無償期間中であれば回数も無制限で利用できるようにした。

 採用活動をオンライン化するにはツールを導入するだけでなく、募集要項の改定や選考フローの見直しが必要になる。スタジアムと就職支援のジェイックは2月と3月にそうしたポイントをまとめたセミナーを共同で開催した。「想像以上の早さで定員に達した。反響が大きく追加開催も検討している」(前沢執行役員)。

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