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 ソフトバンクは2020年3月5日、5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスを3月27日に開始すると発表した。日本の携帯電話事業者では初の商用5Gサービスの発表で、意欲的なサービスエリアの拡大計画を示すのか、それとも「容量無制限」といった大胆な通信料金を打ち出すのかなどに注目が集まった。

 しかし蓋を開ければ、対象エリアは7都府県の一部地域に限られ、2020年夏までの計画を含めても地域的な広がりは少なかった。料金も容量無制限の定額制は見送り、既にある4Gの通信料金に月額1000円(税抜き)の5G基本料を加算するという、4Gサービスを踏襲する内容にとどまり、同社ならではの「大胆さ」は見られなかった。

5Gのサービス開始を発表するソフトバンクの榛葉淳副社長。5Gの基本料月額1000円は期間限定で無料にした。
5Gのサービス開始を発表するソフトバンクの榛葉淳副社長。5Gの基本料月額1000円は期間限定で無料にした。
(出所:ソフトバンク)
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 5G基本料は2020年8月末までの加入であれば2年間無料にする。もっとも通信エリアが狭い範囲に限られるので、無料にする以外の選択肢はなかったともいえよう。5Gのエリア整備にはかなりの困難が伴うことが、同社の発表から透けて見えた。

 発表会に登壇したソフトバンクの榛葉淳副社長執行役員兼COO(最高執行責任者)は「基地局の整備計画を2年前倒しにする」と宣言し、「5Gはインフラ整備が重要」と何度も強調した。前倒しの結果、約2年後の「2021年度末(2022年3月末)までに人口カバー率90%を達成する」との「公約」を掲げた形となった。

 ソフトバンクがエリア拡大に自信を見せるのはなぜか。それは早ければ2020年秋にも可能になる、4Gとの周波数共用という「秘策」があるからだ。

2020年夏でも通信エリアは「ターミナル駅周辺」

 ソフトバンクが今回発表した5Gの通信エリアは、サービスを始める2020年3月27日時点で東京都や大阪府、愛知県、福岡県、千葉県、広島県、石川県の7都府県の一部の市町村区。例えば東京都では千代田区と中央区の一部だけである。