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業績への影響は「注視する」以外に打つ手なし

 冒頭で述べた通り、業績面では中国市場における売り上げの落ち込みが深刻だ。トヨタ自動車は「中国市場以外については、これまでのところ大きな(負の)影響は数字として出ていない。国内工場の生産台数も減っていない」と言う。だが、多くの企業は「現在、情報を収集して精査している段階」(ソニー)にある。

 現在、新型コロナの感染は中国を中心としたアジアから中東、欧米へと急速に広がっている。感染を抑え込むために経済活動や生産活動などの規制や自粛が強化されれば、当然、製品やサービスの売り上げは落ち込む。消費者の購買意欲も減退して、経済は負のスパイラルを描いて悪化していくことになる。ホンダは国内市場における3月の販売状況について心配し始めたが、国内外を含めた業績の先行きを不安に思っていない日本企業は皆無だろう。これまで好業績を上げてきたトヨタ自動車も「新型コロナの世界的な広がりから、今後の米国や欧州、日本市場の先行きを注視している」(同社)。

 2020年3月11日、世界保健機関(WHO)が新型コロナについて「パンデミック(世界的な大流行)になった」と表明した。新型コロナにも世界的な景気低迷にも、現時点で“特効薬”は見当たらない。

表3 大手国内製造業の業績への影響
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表3 大手国内製造業の業績への影響
2020年3月11日時点のヒアリング状況(作成:日経クロステック)