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 キヤノンメディカルシステムズは長崎大学と共同で、新型コロナウイルスの検査システムの開発に取り組んでいる。開発は最終段階に達しており、実用化の暁には「10分前後で検出が可能。感度も既存の検査とほぼ同等にできる見込み」(キヤノンメディカルシステムズ 分子検査ソリューション事業推進部長の後藤浩朗氏)とする。

キヤノンメディカルシステムズの等温増幅蛍光測定装置
キヤノンメディカルシステムズの等温増幅蛍光測定装置
(出所:キヤノンメディカルシステムズ)
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 「きっかけは2020年2月1日の深夜0時に届いた一通のメールだった」――。キヤノンメディカルシステムズの後藤氏は、検査システムの開発に着手した2月初旬を振り返る。メールの送り主は国立感染症研究所の研究者。4年前のリオデジャネイロ・オリンピックで沸くブラジルで流行していたジカウイルス感染症(ジカ熱)対策に現地で一緒に取り組んだ。いわば“同志”からのメールは、新型コロナウイルスの検査システムの開発を要望する内容だった。後藤氏は「アミーゴに頼まれれば断る理由はない」と即座に社内の許可を得て開発に乗り出した。

 キヤノンメディカルシステムズが取り組んでいるのは、遺伝子検査の一種のLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を基にした検査システムの開発である。ウイルスの遺伝子から、そのウイルス特有の配列を増幅して有無を確認する。既存のPCR(Polymerase Chain Reaction)法は、増幅の際に温度を上下させる必要があり、これが検査に時間を要す一因になっていた。一方のLAMP法は等温で増幅できるため、検査時間を短くできる。

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