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 マイクロミラーデバイスメーカーの米MicroVisionが窮地に立たされている。同社は世界で初めてマイクロミラーデバイスの商業化に成功した先駆者である。今でも最も高度な走査型マイクロミラーデバイスを発売している。ただ近年、業績が振るわず株価が低迷し、米NASDAQ市場で上場廃止の危機にひんしていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大で工場が休止状態になるなど悪材料が重なっている。

MEMSを用いたフォーカスフリープロジェクター

 シャープの初代「ロボホン」の頭部には、フォーカスフリーのプロジェクターが搭載されている(図1)。このプロジェクターは、MEMS技術によるマイクロミラーデバイスによって、RGB 3色のレーザーを走査する方式である。一般的なプロジェクターは、反射型液晶パネル(LCOS)または米Texas Instruments(TI)のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)で生成した画像を、レンズを用いて投影する。これと異なり、ロボホンのプロジェクターは曲面にもぼけずに投影できる。これがフォーカスフリーの意味である。

図1 2016年発売のシャープの初代「ロボホン」
図1 2016年発売のシャープの初代「ロボホン」
(写真:シャープ)
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 ロボホンに用いられているこのマイクロミラーデバイスが、MicroVision製である。ロボホンの他、パイオニアの自動車向けヘッドアップディスプレー(HUD)(図2)、ソニーのピコプロジェクター「MP-CL1A」(図3)にも使われた。この他MicroVisionは、レーザーで測距するLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)のモジュールを車載向けやコンシューマー向けに提供している。

図2 2012年発売のパイオニアの自動車向けヘッドアップディスプレー
図2 2012年発売のパイオニアの自動車向けヘッドアップディスプレー
(画像:パイオニア)
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図3 2016年発売のソニーのピコプロジェクターとその光学エンジン
図3 2016年発売のソニーのピコプロジェクターとその光学エンジン
(写真:ソニー)
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