街灯がない環境下における夜間歩行者を対象にした自動ブレーキ試験で、ホンダの中型セダン「アコード」が健闘した。国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が2020年3月16日に発表した「自動車アセスメント(JNCAP)」の予防安全性能の試験結果によると、トヨタ自動車の「レクサス」3車種や日産自動車の中型ミニバン「セレナ」に次ぐ5位となった(図1)。
JNCAPの予防安全性能試験では2019年度に、街灯なし夜間歩行者を対象にした自動ブレーキ試験が加わった。国交省とNASVAはこれまでに、レクサスブランドの3車種注1)やセレナなど合計6車種の試験結果を公表している。今回のアコードで、結果を公表するのは7車種となる。
このうちレクサス3車種とセレナは、最高点(満点)を獲得した。アコードはこれらの4車種には及ばなかったが、ホンダの軽自動車「N-BOX」や、SUBARU(スバル)の中型SUV(多目的スポーツ車)「フォレスター」を上回った(図2)。
アコードの先代車は自動ブレーキ用センサーとして、単眼カメラとミリ波レーダーを搭載していた。単眼カメラで主に歩行者を検知し、ミリ波レーダーも使う。ただ、これらのセンサーは初期のものであり、歩行者を対象にした自動ブレーキが対応するのは昼間だけで、夜間には対応していなかった。
2020年2月に発売した新型アコードも、センサーとしては単眼カメラとミリ波レーダーを使うが、サプライヤーを変更して夜間性能を高めた。サプライヤーはドイツ・ボッシュ(Bosch)とみられる。
また、新型車のヘッドランプは、自動ハイビーム機能を備える。刷新したセンサーと自動ハイビーム機能を連携させて、自動ブレーキを街灯なし夜間の歩行者に対応させた注2)。