全1714文字
PR

 トヨタ自動車の世界生産が変調を来し始めた。新型コロナウイルス感染症の世界的なまん延が、同社の精緻な生産計画を狂わせている。2020年3月11日の時点では「中国市場以外に大きな影響は見られなかった」(同社)ものの、一転して状況が激変した。3月16日にポルトガルで工場の稼働をやめて以降、欧州各国の工場が生産を停止。3月24日現在、北米や東南アジア、インド、南米の工場の生産ラインを止める事態に陥っている。

 3月24日から、同社にとって最大の稼ぎ頭である北米の全14工場が稼働を停止した。期間は4月3日までを予定しているが、4月4日から再稼働するかどうかは未定だ。ブラジルの工場も3月24日から生産ラインを止める。インドにある2工場は3月23日の終日、工場の稼働を停止した。同月24日については検討中という。

日本の5工場が2~9日間、生産を停止

 「よほどのことがない限り稼働が止まることはない」と同社が語っていた日本の工場も、新型コロナの影響を避けられなかった。(1)高岡工場(生産車種:「RAV4」「ハリアー」「プリウスα」「カローラ」)、(2)堤工場(同:「プリウス」「プリウスPHV」「カムリ」「プレミオ」「アリオン」「カローラスポーツ」)、(3)田原工場(同:「レクサスLS」「同IS」「同GX」「同RC」「同NX」「ランドクルーザー」「4ランナー」)、(4)トヨタ自動車九州(同:「レクサスES」「同CT」「同RX」「同NX」「同UX」)、(5)日野自動車の羽村工場(同:「ランドクルーザー・プラド/FJクルーザー」、小型トラック)――の5工場が稼働を停止する。止めるのは4月3日から「一定期間」(同社)とする。

 現時点では、最短で2日間、最長で9日間、工場の稼働を止める計画である。だが、この計画通りに工場が再稼働するかどうかは分からない。状況を見て停止期間を延ばす可能性を含ませているのが、「一定期間」という表現の意味だ。

 新型コロナの影響が競合他社に対して比較的小さかったはずのトヨタ自動車に何が起きているのか。「世界的な受注の落ち込みと需要の低迷」(同社)だ。

 中国市場における2月の販売は、前年同月比で7割も落ち込んだ。こうした消費者マインドの冷え込みは他国にも広がり、3月には販売台数の減少も避けられそうにない。これを受けて、日本の工場でも4月から生産調整に入ることを余儀なくされたという。

表 トヨタ自動車の世界の工場の稼働停止計画
表 トヨタ自動車の世界の工場の稼働停止計画
2020年3月24日時点のヒアリング結果(作成:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]