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ブロックチェーンとエッジ解析が切り札か

 トヨタ・NTT連合が共同開発する都市OS「スマートシティプラットフォーム」――。成功の鍵を握るのは、Googleのアキレス腱となる「プライバシー問題」にうまく対応することだ。世界に都市OSを売り込むとき、Google系OSと大きく差異化できる。有力な技術とみてトヨタとNTTグループがそれぞれ開発を進めるのが、ブロックチェーン技術である。

 トヨタは2019年4月、グループで構成するブロックチェーンの研究開発組織「ブロックチェーン・ラボ」を立ち上げた。2020年度内に実サービスに近い形での実験を開始することに加えて、自社サービスの一部をブロックチェーン上で実行する。NTTも、グループ会社のNTTデータが中心になってブロックチェーンの開発に取り組む。

 ブロックチェーンは「分散型台帳」とも呼ばれ、特定の事業者にデータを集中させない仕組みに加えて、改ざんを防ぎやすい特長がある。さらにトヨタはブロックチェーンはデータを皆で共有して管理する「民主化」に役立つとみており、個人情報などを独占するGAFAへの対抗手段にもなると考えている。

 都市データに対する豊田氏と澤田氏の考えはそっくりだ。「誰のためのデータなのか」(豊田氏)、「データは囲い込まない」(澤田氏)と話し、個人情報を大量に集めて広告で利益に変えるGoogleとの違いを明確にする(図5)。

図5 記者会見で説明するトヨタ自動車社長の豊田章男氏
図5 記者会見で説明するトヨタ自動車社長の豊田章男氏
(撮影:日経Automotive)
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 トヨタ・NTT連合にとってもう一つ、対Googleの切り札になり得るのが、かねて共同で開発を進めるエッジコンピューティングである。センサーやデバイスなどからのデータを、発生した現場に近い場所(エッジ)で処理する技術のこと。GoogleなどGAFAが主役の「クラウド」ではなくエッジ側でデータを解析し、クラウドの価値を下げる。

 トヨタとNTTグループは自動車向けのエッジコンピューティング技術に関するコンソーシアム「Automotive Edge Computing Consortium(AECC)」で協力。両社はこれらの活動を通じて、開発した技術を国際標準に押し上げ、この分野の主導権を握りたい考えである。