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 漫画をはじめとしたインターネット上のコンテンツの海賊版に対処するため、法改正が大詰めを迎えている。政府は2020年3月10日、著作権法改正案(著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案)を閣議決定して通常国会に提出した。会期中に成立すれば、早ければ2020年10月1日に一部規定が施行される見通しだ。

著作権法改正案の概要
著作権法改正案の概要
(出所:文化庁)
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3年越しの法整備

 「漫画村」に代表される漫画などの海賊版コンテンツへの対策としての法整備は3年越しと長期化している。その重要性や緊急性が以前から指摘されていたにもかかわらずだ。

 2018年には政府がプロバイダー側の設定によって海賊版コンテンツへのアクセスを遮断する、いわゆる「ブロッキング」の法制化を試みた。2018年秋にかけて内閣府知的財産戦略本部の有識者会議で議論が進められた。

 だが、ブロッキングは憲法が定める「通信の秘密」や「検閲の禁止」に違反するといった反対意見が多く、ブロッキングの法制化は見送られた。代わりに海賊版コンテンツ対策を進めるための法整備として、著作権法の改正が軸となった。

 そこで2019年1月にかけて、文化庁文化審議会の小委員会で著作権法改正に向けた議論が進められたが、ここでも議論が紛糾した。争点となったのは、海賊版コンテンツをユーザーがダウンロードする行為を違法とする、いわゆる「ダウンロード違法化」の対象拡大である。

 同小委で示された文化庁案は、ダウンロード違法化の対象を現行著作権法で定められた「映像と音楽」から「全ての著作物」に拡大するという内容だった。これに対しネットユーザーや法曹関係者から「違法化の対象が広すぎて、ネットを利用した個人の一般的な情報収集にも影響を及ぼしかねない」といった反対意見が出た。文化庁はそのまま2019年の通常国会で、文化庁案を基にした改正案の提出を模索したが、与党などからも懸念が出されたため法案提出を断念していた。