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 日立製作所は2020年4月1日に社内のデータサイエンティストのトップ人材を集めた新組織を発足させる。日立の研究開発(R&D)の「聖地」でもある中央研究所(東京都国分寺市)にあるイノベーション施設「協創の森」に新設し、最先端のAI(人工知能)やデータ分析などの技術をサービスや業務に素早く適用できるようにする狙い。新組織は中央研究所の変革をけん引できるか。

データ分析と業務の両面に明るいトップ人材を集結

 「先進的な顧客やパートナー、大学が集まる協創の森でデータサイエンティストと研究者が一緒に仕事をすれば、オープンイノベーションを深められる」。新組織「Lumada Data Science Lab.」のラボ長に就く影広達彦研究開発グループメディア知能処理研究部長はラボ設立の狙いをこう語る。

日立が2019年4月に中央研究所に開設したイノベーション施設「協創の森」
日立が2019年4月に中央研究所に開設したイノベーション施設「協創の森」
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 ラボは当初、100人程度で発足し、AIやデータ分析の研究者、データ分析とOT(制御技術)の知見を併せ持つエンジニアやコンサルタントで構成する。今後、社内外からトップ人材を集め、2021年度までに200人規模まで増やす計画だ。

 トップ人材の1人が副ラボ長に就く徳永和朗サービス&プラットフォームビジネスユニットAIビジネス推進部主任技師である。徳永氏はもともと半導体のプロセス技術者としてLSI(大規模集積回路)の技術開発や量産を手掛けてきた。日立の半導体事業の縮小に伴い、2013年にビッグデータ分析のチームに移り、データサイエンティストとしてキャリアを重ねてきた経歴を持つ。

 日立は徳永氏のようなデータ分析と業務の両方に明るいトップ人材をラボに集め、サービス開発や顧客との連携プロジェクトのスピードを引き上げる。これまでは研究者とデータサイエンティストが別々の部署や場所で働いており、研究所の技術と現場をつなぐのが難しかった。4月以降はデータ分析のトップ人材が協創の森に集結し「アジャイルにプロジェクトを進められる」(影広氏)体制を整える。