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 新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配を見せず、小池百合子都知事は2020年3月25日に「感染爆発の重大局面だ」と危機感をあらわにした。影響は都内に多くの拠点を持つIT企業にも及んでいる。NTTデータは2月14日、SCSKは2月26日に自社拠点や客先に勤める協力会社の社員の新型コロナ感染を公表した。

テレワーク日数制限を撤廃

 IT企業各社は社員の安全確保と事業継続をどう両立させているのか。大手7社に取材するとテレワーク本格導入を中心に解決手段を採っていた。

表 新型コロナウイルスの感染拡大を受けたITサービス大手の対応例
テレワークや時差出勤で感染を防ぐ
企業名出社方針テレワークに用いるツール
NEC全社員が回数制限なしでテレワークを使える。サテライトオフィスは自社グループで合計約5000席。約40カ所の社外のコワーキングスペースも利用可能希望する全社員にスマホとシンクライアント端末を貸与。インターネットから社内イントラには約 6 万人の社員が同時接続可能。オンライン会議には「Microsoft Teams」や「Zoom」を利用
NTTデータテレワークを推奨。出勤する場合は手洗い・うがいを実施し、マスクを着用。体調不良時は出社を控え、勤務中であれば帰宅するオンライン会議には「Microsoft Teams」や「Zoom」を利用
SCSKテレワークか有給休暇取得を推奨。やむを得ず出勤する場合は時差出勤を推奨。有給休暇を使い切った社員の子供の休校には、本来であれば体調不良を前提とする「バックアップ休暇」を特別に取得できるようにして対応リモートデスクトップや「Skype」、電話を利用。「Zoom」やVPNは部署ごとに判断して導入
TIS在宅勤務または時差勤務を推奨。不要不急の出張は自粛「Zoom」などのWeb会議システムを利用
伊藤忠テクノソリューションズ時差出勤やテレワークの適用条件を週5日に緩和。テレワークは全社員が対象で、所属長の事前承認の下、終日あるいは半日単位で許可「Zoom」に加え、リモートデスクトップとスマホ、チャットツール、シンクライアント端末を利用
野村総合研究所テレワークの利用日数の上限を撤廃し、対象社員を拡大。やむを得ず出社する場合、同じチームの社員を複数拠点に分散させる以前からノートパソコンやVPN、シンクライアント端末を利用しており、会議はWeb会議システムで進行
富士通テレワーク(在宅、自宅近隣事業所でのサテライトワーク)を全社員に特に強く推奨。出社する場合は時差出勤を強く推奨「Skype for Business」やシンクライアント端末を配備し、仮想デスクトップやVPNの導入している

 2017年度から全社員がテレワークを使える富士通は現在、「テレワークを特に強く推奨している」(広報)。出社する場合は時差出勤を呼びかける。

 野村総合研究所は週2日のテレワーク利用の上限を撤廃。対象社員も広げ、3月第1週の利用社員は2月第1週の3倍以上に増えた。企業人事制度に詳しい谷出正直氏は「2019年9月の台風15号でも出勤する人が駅に長蛇の列をつくったことと比べると、企業も社員もマインドが変わりつつある」とする。