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 古くさいと思われているCOBOLに新しい風を吹き込みたい――。こうした狙いの下、COBOLコンソーシアムが開催した「COBOLハッカソン2020」の審査結果が2020年3月30日に公開された。ハッカソンとは「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語であり、技術者が短期集中型で開発に取り組むイベントである。

 プログラミング言語のCOBOLは1960年に公的な仕様書「COBOL-60」が発行され、現在も多くの基幹系システムで使われている。2020年はCOBOL-60の発行からちょうど60年。COBOLコンソーシアムは節目の年を祝うとともに「COBOLとクラウド技術の融合」を試みるべく初めてCOBOLによるハッカソンを開催した。

成果物はクラウド利用が条件

 ハッカソンのテーマには「COBOLで『クラウド連携やってみた!』」を設定した。参加者は5~6人でチームを組んでアプリケーションを開発し、その出来を競う。

 アプリケーションが満たすべき条件は幾つかある。「一部でもいいのでCOBOLを使うこと」「実際にコンピューター上で稼働すること」「成果物のうち『何か』が米アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)のクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)上で稼働すること」などだ。60年の時を隔てた新旧の主力技術でのアプリ開発を課題としたわけだ。

 「実務で利用できる点よりもクラウド技術を使うアプリを模索してほしかった」。COBOLコンソーシアムで会長を務める日立製作所の高木渉サービスプラットフォーム事業本部IoT・クラウドサービス事業部ミドルウェア本部システム&データアプリケーション部主任技師はハッカソンの狙いをこう説明する。

 ハッカソンの企画・開催には約1年間を要したという。なかでも成果物について様々な意見が出された。「COBOLシステムをマイグレーションするといった案もあった」。COBOLコンソーシアムでセミナー分科会主査を務める東京システムハウスの比毛寛之ビジネスイノベーション事業部マイグレーションソリューション部部長は明かす。

 だがCOBOLアプリケーションのマイグレーションは現場でも進んでおり、ハッカソンのテーマとしては意外性に乏しい。そこで「COBOLの様々な発展性を見せてほしい」(高木会長)という思いからクラウド連携をテーマに決めた。