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 「2027年末まで標準サポート期間を延長したのは顧客の声を受けた結果。せっかく新しいERP(統合基幹業務システム)に移行するのであれば、時間をかけてゆっくり検討したいという企業の声に応えたものだ」。2020年4月1日に就任したSAPジャパンの鈴木洋史社長は、SAPのサポート問題についてこう話す。

SAPジャパンの鈴木洋史社長
SAPジャパンの鈴木洋史社長
(画像提供:SAPジャパン、以下同)
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 鈴木社長の前任にあたる福田譲氏は新卒でSAPジャパンに入社した生え抜きで、社長を5年8カ月務めた。福田氏の後任に就いた鈴木氏は日本IBMなどを経て2015年にSAPジャパンに入社。直近まで大企業向けの営業を統括していた。

 鈴木新社長が最初に直面する課題の1つが、「SAP ERP(ECC6.0)」の標準サポート終了にともなう新ERP「S/4HANA」への移行だ。関係者の間で「SAPの2025年問題」と呼ばれていた課題への対応である。

 冒頭の通り欧州SAPは2020年2月にSAP ERPの標準サポート「メインストリームメンテナンス」の提供期間を「2025年末から2027年末へと変更する」と発表。「2025年問題」が「2027年問題」へと変わった。SAP製品のユーザー会であるジャパンSAPユーザーグループ(JSUG)からは歓迎する声明が出る一方で、パートナーからは「2年の延長ではあまり意味がないのでは」との声も挙がっている。

 鈴木社長は2年間の延長について、「様子を見る時間が2年延びたという意味だと思わないでほしい」と強調する。「SAP ERPを初期に導入したユーザー企業の場合、2027年まで様子を見れば20年近く同じ基幹系システムを使い続けることになる。本当にそれでいいのかどうか。延長した2年間は自社の情報システムを見直すために利用してほしい」(鈴木社長)。

 同社はS/4HANAへの移行を支援するためのテンプレートなどを提供する計画だ。パートナーと協業してテンプレートを作成し、価格を明確にしてユーザー企業が利用しやすくする。ユーザー企業に対しては「一般的な移行のメリットではなく業界別にS/4HANAの導入メリットを訴求する取り組みを強化する」(鈴木社長)という。