全2981文字
PR

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として導入が進むテレワーク。いざ始めてみると、オフィスに勤務している場合と勝手が違うため戸惑うことも多いだろう。これまでは近くの人に聞けば事足りていたこと、例えば「あのドキュメントはどこ?」「申請は誰に回せばいい?」といった気軽に聞いて解決していたことにも一手間かかる。

 そんな状況をSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を駆使して改善しようとしているのが「バイトル」などの求人サイトを展開する求人大手のディップだ。同社がテレワークを本格的に実施し始めたのは2020年2月から。新型コロナの感染拡大防止がきっかけだった。同社の社員数は約2000人。全社員がテレワークの対象だ。

 テレワークの制度自体は2016年から導入しており、そのためのシステムも整備していた。「既にインフラがある中でのソフトランディング」(情報システム部門を統括するディップの進藤圭執行役員)だったという。同社は複数のSaaSを業務の内容などによって使い分けており、それをテレワーク環境でも活用している。

求人大手ディップの進藤圭執行役員商品開発本部次世代事業統括部統括部長
求人大手ディップの進藤圭執行役員商品開発本部次世代事業統括部統括部長
情報システム部門などを統括する
[画像のクリックで拡大表示]

 同社がテレワークで使っている主なSaaSは以下だ。ビデオ会議ツールには米グーグル(Google)の「Hangouts Meet」を使う。ビジネスチャットツールとして情報システム部門などは米スラック・テクノロジーズ(Slack Technologies)の「Slack」を、営業現場はチャットワークの「Chatwork」を導入している。

 本部組織などの情報共有ツールにはクレイが提供する「DocBase」を、多くのタスクを扱う新規事業関連の部署などは豪アトラシアン(Atlassian)のタスク管理ツール「Trello」を活用。さらにワークフロー管理ツールとして承認処理が必要な手続きについてはDonutsの「ジョブカン」を、事務手続きの申請についてはベーシックのワークフローツール「formrun」を採用して業務を進めている。

 テレワークが本格化する以前から多種多様なSaaSを活用した業務インフラを整備してきたことで、テレワークの本格導入後もスムーズに業務が進められているという。ビデオ会議ツールのHangout Meetはこれまでは2割程度の社員が使うにとどまっていたが、テレワークが本格化した2月以降はほぼ100%の社員が使うツールになった。

 在宅勤務時はVPN(仮想私設網)経由で社内ネットワークにアクセスし、仮想デスクトップを使って業務をこなす。通信環境については、同社が社員に支給しているスマートフォンによるテザリングの他、通信量が多い社員には別途モバイルルーターを支給している。