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 欧米を中心に世界中で新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する中、自動車メーカーや電機メーカーなど異業種による医療機器やマスクの生産の動きが相次いでいる。感染拡大の影響で工場は生産の停止や縮小に追い込まれている。各国政府の後押しもあり、危機的状況に対応に向けてメーカーのリソースを活用した総力戦の様相を呈してきている。

 2020年4月1日時点で4000人近くが死亡している米国での動きが顕著だ。トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMNA)は、北米にある幾つかの設備を利用して、新型コロナウイルスに対応している医療従事者向けに、フェースシールドやマスク、生人工呼吸器などを生産・提供すると発表した。

北米トヨタが生産するフェースシールド
北米トヨタが生産するフェースシールド
(写真:TMNA)
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 フォード・モーター(Ford Mortor)も、米GEヘルスケア(GE Helthcare)と協力して人工呼吸器の生産を拡大するために協力すると発表した。GEヘルスケアの既存の人工呼吸器の生産に向けてフォードが技術面・生産面での知見を提供するという。米テスラ(Tesla)CEOのイーロン・マスク氏もTwitterで人工呼吸器の生産を表明している。

 この他、米国ではトランプ大統領が大統領権限で企業に協力を求める「国防生産法」に基づいて、米ゼネラル・モーターズ(General Motors)に人工呼吸器製造を要請した。同社は、米医療機器メーカーのVentec Life Systemsと連携するなどして人工呼吸器の生産拡大を図っている。国防生産法は、政府が民間産業を統制するために1950年に制定されたもので、もともとは朝鮮戦争への対応策だった。

 欧州ではドイツ・ダイムラー(Daimler)が、新型コロナウイルス感染拡大を受けて3Dプリンターを活用して医療機器の生産を支援すると2020年3月27日に発表。英国では、ダイソン(Dyson)が英国政府の要請を受けて新型人工呼吸器「CoVent」を開発。CNNによると、わずか10日間で設計し、同政府から1万台の注文を受けて現在製造しているという。

「メルセデス・ベンツ」の3Dプリンター設備
「メルセデス・ベンツ」の3Dプリンター設備
ダイムラーのブランド「メルセデス・ベンツ」は、3Dプリンターを活用した医療機器生産支援を表明した。(写真:ダイムラー)
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 イタリア・アウトモビリ・ランボルギーニ(Automobili Lamborghini)は、サンタアガタ・ボロネーゼにあるスポーツ車の生産工場の一部を、医療用マスクとガラス製のフェースシールドの生産に転換する。生産したマスクは、ボローニャのサントルソラ=マルピーギ総合病院に寄付するという(ニュースリリース)。

フェースシールドの部品を3Dプリンターで製造する
フェースシールドの部品を3Dプリンターで製造する
(写真:アウトモビリ・ランボルギーニ)
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