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 電機メーカーも海外工場を続々と停止している――。日経クロステックが国内電機大手10社を対象に、新型コロナウイルス感染症の影響を調べたところ、7社が海外工場の操業を停止していることが分かった(調査期間は2020年4月1~2日)。自動車業界と同様に、電機業界でも世界の工場が大きな影響を受けている。欧米とアジアを中心に、各国政府が打ち出した外出禁止令が直撃した。各社からは「先が全く見えない」との悲鳴が上がる。

 日立製作所は、イタリアの鉄道4工場の稼働を2020年4月13日まで停止する計画だ。ただし、同国では新型コロナ感染の急速な拡大が続いており、同社は「(稼働停止は)さらに長引くだろう」との見方を強めている。外出を禁止されたマレーシアでは、複数の工場で操業を停止。東芝も場所は公表しないものの、海外6工場の稼働を止めた。

 ソニーは、マレーシア2工場(生産品目はオーディオ機器とテレビ)と英国工場(放送・業務用カメラ)の操業を停止。シャープは、マレーシア2工場(テレビとオーディオ)とフィリピン1工場(テレビ)、英国1工場(電子レンジ)、米国1工場(電子レンジ)の稼働を止めている。

 キヤノンは、マレーシアとフィリピンの工場の操業を停止した。「(外出禁止は)3月末までが目安だったので、4月に入って再開に向けた準備をしていたところ」と同社は明かす。リコーは、英国とフランスで工場の操業を停止した。

 パナソニックと三菱電機は工場の稼働状況を明かさない。だが、パナソニックはインドとマレーシアの工場に加えて、米テスラ(Tesla)向けの米国電池工場の稼働を停止しているとみられる。

 海外工場が厳しい操業を強いられる中、国内工場は通常通り稼働している電機メーカーが多い。だが、それでも一部で不安定な稼働になり始めている。リコーは、中国と東南アジアのメーカーから調達する部品の到着が遅れたり数量が不足していたりして、国内工場の一部のラインを止める日があると明かす。キヤノンは国内工場について、「(部品調達の問題や物流などさまざまな要因で)100%の稼働とはいえない」と語る。