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 ブラウザーからクッキー(cookie)を通じて収集した個人のWeb行動履歴を、企業はどこまで自由に活用できるのか。個人情報保護法の改正を機に、Web行動履歴を広告やマーケティングに生かしてきたアド(広告)テクノロジー事業者は、新たな規律のあり方を模索している。

 博報堂DYホールディングスが2019年10月に設立した子会社「Data EX Platform(DEX)」は、Web行動履歴を基にユーザーの属性情報を企業に提供するビジネスを展開している。博報堂DYグループが広告ビジネスの一環で様々なWebサイトから収集したWeb行動履歴などを基に、ユーザーの年齢、性別、嗜好、ライフスタイルなどの情報を推計し、顧客企業の会員データとひも付けて提供する。

 複数のクッキー情報を突き合わせる「Cookie Sync」などの手法を用い、同グループのクッキーが追跡する匿名ユーザーの情報を「会員番号○○○○の××氏」という特定の会員データと連携させる。

 この事業モデルで問題になり得るのが、2020年3月に国会に提出された改正個人情報保護法だ。改正法はWeb行動履歴から推計した属性などの匿名データを取得して特定個人のデータとひも付ける際、本人の同意を確認するよう企業に求めている。リクルートキャリアがWeb行動履歴から内定辞退率を算出して販売していた「リクナビ問題」を機に、新たに加わった規制である。

 これまでアドテクノロジーにおけるクッキーは明確な法規制を設けず自主規制に委ねる形で運用されていたが、リクナビ問題で「とばっちり」を受けた格好だ。

 日経クロステックの取材にDEXは、同法改正以降、推計データの取得をプライバシーポリシーで説明することを「必須」の条件として顧客企業に求める考えを明らかにした。これまでDEXはデータ提供先に対し、プライバシーポリシーの改定を「推奨」するに留めていた。

 「具体的なプライバシーポリシー改定の内容に関しては、顧客企業に合わせて追記・修正文言案を提案している」(DEX)。明示的かつ個別の同意を求めるかについては「同意取得に関するガイドラインが発表されれば、それに準拠する」とした。