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 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、製薬企業の医薬情報担当者(MR)が病院への訪問を自粛せざるを得ない状況になっている。医療現場にはまだ紙の調査票などで情報収集する業務が残っており、影響を受ける可能性がある。医薬品の副作用情報を収集する業務もその1つだ。医療現場の「紙」問題の解決を推進しようと、富士通子会社の富士通エフ・アイ・ピーが動き出した。

医師の入力画面の一部
医師の入力画面の一部
(出所:富士通エフ・アイ・ピー)
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 富士通エフ・アイ・ピーが2020年3月に販売を開始したのは、医師が医薬品の副作用情報をクラウド上で報告できるシステム「FUJITSU ライフサイエンスソリューション tsClinical Colle-Spo」である。販売直後にもかかわらず、既に複数の製薬企業が同システムの導入を検討しているという。「新型コロナウイルスの感染が広がる前から開発して販売準備してきたものだが、現在のようにMRが紙の調査票を受け取りに行けない状況でも役に立つとの評価を得ている」(富士通エフ・アイ・ピーの第三SaaS事業部ファーマソリューションシステム部マネージャー小林潤弘氏)という。

 医薬品医療機器等法(薬機法)により、製薬企業は販売後の医薬品の副作用情報などを収集して評価し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告することが義務付けられている。そのため製薬企業のMRは、各病院を訪問して紙の調査票で医薬品の副作用情報を収集してきた。

 MRは医師にヒアリングして紙の調査票に手書きで記入する。さらに詳細な調査が必要な場合は、医師にA4サイズ10ページほどの調査票を手書きで記入してもらう。調査票は製薬企業によってフォーマットが異なるため、複数社の医薬品を併用するがん患者らを担当する医師の大きな負担になっていた。医師から調査票を回収したMRは、本社の専門部署に紙の調査票をFAXで送付。専門部署がデータを評価しPMDAに副作用情報を報告する。