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 安倍晋三首相が緊急事態宣言を出して2日がたった。都内を中心に新型コロナウイルスの感染者が増え続けるなか、IT大手は技術者の働き方をどう変えているのか。

テレワークは「推奨」から「前提」へ

 日経クロステックが2020年4月8日、各社に取材したところ、「全社の出社方針をテレワーク推奨から原則テレワーク」(野村総合研究所:NRI)など、推奨から原則・前提とする動きが目立った。客先に常駐してシステムの開発や運用に携わる「常駐エンジニア」についても、テレワークに移行するよう顧客に働きかける姿勢を強めていると分かった。

 「緊急事態宣言を踏まえ、指定された地域で勤務する全ての従業員に在宅勤務の徹底を指示した。これは社内、客先常駐の区別はない」――。こう回答を寄せたNECはこれまで在宅勤務を「指示」してきたが、緊急事態宣言を受けて指示を「徹底」するよう強めた格好だ。

IT各社における社員と客先常駐社員の出社に関する方針
会社名出社に関する方針
NECこれまでも在宅勤務を指示していたが、緊急事態宣言を踏まえ、指定地域で勤務する全社員に在宅勤務の徹底を指示した。ただし例外的に社会機能を維持するための業務などについては客先への常駐を含め、最低限の出勤を実施
NTTデータ在宅勤務を基本とし、事業継続上やむを得ず出社が必要な社員のみの出社としている。客先常駐社員については可能な限り在宅勤務となるよう調整しているが、重要な社会インフラを支えるシステムを多数運用しており、全ての業務を一律にテレワークで代替できる状況ではない
SCSK「原則、全社員が在宅勤務または休暇取得のいずれかを実施」としていた全社方針を2020年4月7日から変更し、「全社員が出社しないことを前提に在宅勤務で業務を遂行」とした。客先常駐社員についても同じく「基本的に常駐先の方針に従う」から「常駐先の指示に従うことを前提に原則として事業継続に必要最小限の業務と人員に抑える」に変更した
TIS全社方針は変えておらず、在宅勤務など従来の施策を強く推奨している。客先常駐社員についても同様に方針は変えていない。客先の方針や協議によって個別に対応している
伊藤忠テクノソリューションズ2020年4月3日午後から全社員を対象に「原則、在宅勤務」とした。客先常駐社員については(常駐先に従う方針から)特に変えていない
日本ユニシス2020年4月7日から全社員を対象に「原則、業務をテレワークに移行」とした。客先常駐社員についても客先と協議のうえ、テレワーク可能な業務は順次、移行している。テレワークで対応できない場合は所属長と十分な協議の下、時差出勤などを活用
野村総合研究所全社方針は「テレワーク推奨」から「原則テレワーク」に変更した。客先常駐社員については「常駐先の方針を尊重」から変えていない
富士通方針は特に変えていない。自治体から外出自粛要請がある地域の事務所は原則、在宅テレワークとしている。客先常駐社員についても「(客先と)協議のうえ、対応を決める」方針のまま

 ただ、同社は「例外的に社会機能を維持するための業務などについては、客先常駐を含め、最低限の出勤をしている」と続けた。

 発注元・委託先という商売の関係とは別に、情報システムが社会インフラを支えるようになった今、常駐エンジニアには「一律テレワーク」といかない難しさがある。ただユーザー企業がパンデミックや自然災害といった事態に備えたBCP(事業継続計画)を整備し切れていなかった可能性もある。

SCSKは常駐エンジニアを「必要最低限」へ

 日経クロステックが2020年3月23日までにアンケート取材したところ、多くのIT大手は常駐エンジニアの出社方針を「基本的に常駐先の方針に従う」としていた。今回のアンケート取材で、その後に方針を変えたのはSCSKと日本ユニシスの2社だった。

 SCSKは緊急事態宣言を受け、2020年4月7日に変えた。常駐先の指示に従うことを前提に、常駐先と事前確認・調整を徹底したうえで「原則として事業継続に必要最小限の業務と人員に抑える」(広報)とした。

 前回アンケートに未回答だった日本ユニシスは、「常駐先一律ではない」と断ったうえで、緊急事態宣言発出以前から常駐先と協議し、テレワークが可能な業務は移行準備が整い次第、順次移行しているとした。テレワークでは対応できず、出社しなければいけない業務については「所属長との十分な協議の下、時差出勤などを活用しながら対応している」(広報)という。

 常駐エンジニアの出社方針が変わらないとしたのはNRI、NTTデータ、TIS、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、富士通の5社だ。富士通は「緊急事態宣言前から、自治体から外出自粛要請がある地域の事務所は原則在宅テレワークとし、常駐者についても『お客さまと協議のうえ、対応を決める』という方針に変わりはない」(広報)とした。

 NTTデータは「お客さまのご理解のうえ、可能な限り在宅勤務にできるよう調整している」(広報)という。そのうえで「重要な社会インフラを支えるシステムを多数運用しており、全業務を一律にテレワークで代替できる状況ではない」(同)と回答した。