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 日立製作所が経営資源を傾けるIoT(インターネット・オブ・シングズ)事業「Lumada」を拡大させるべく、買収に踏み切った。AI(人工知能)やデータ分析のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を展開するマレーシアのフュージョテックホールディングス(FusioTech Holdings、以下フュージョテック)をこのほど買収。東南アジア開拓の足掛かりにし、中堅企業を中心に6万社以上へのサービス拡販を狙う。

顧客数倍増の技術者集団を買収

 「東南アジアのボリュームゾーンの顧客を一気に拡大できる」。日立の徳永俊昭執行役専務サービス&プラットフォームビジネスユニットCEO(最高経営責任者)は今回の買収による成果をこう語る。

日立製作所がマレーシアのSaaS企業を買収した狙い
日立製作所がマレーシアのSaaS企業を買収した狙い
(出所:日立製作所)
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 日立は2020年4月1日付で、マレーシアのIT企業であるフュージョネックスインターナショナル(Fusionex International、以下フュージョネックス)の事業のほとんどを承継した新会社のフュージョテックを完全子会社にした。買収額は数百億円規模のもようだ。

 買収の狙いは東南アジアにおけるLumada事業の拡大にある。フュージョテックは東南アジアの中堅企業など1万1000社以上を顧客に抱えている。AIやデータ分析を得意とする260人のデジタル人材が中心になり、解約分析や需要予測といった、顧客に共通するニーズをテンプレート化し、業種ごとに横展開するノウハウも持つ。

 実績も出ている。無料のトライアル版を使った顧客の2割が有料サービスに移行するという。解約率は年9%未満で、業界の中央値である約15%を6ポイントほど下回る。顧客数は前年比で倍増した。日立は東南アジアで63万5000社を想定ターゲットに据えており、その初手としてフュージョテックを通じて1割に当たる6万社超へのサービス提供を目指している。