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 日本自動車工業会(JAMA)、日本自動車部品工業会(JAPIA)、日本自動車車体工業会(JABIA)、日本自動車機械器具工業会(JAMTA)の自動車工業4団体は2020年4月10日、新型コロナウイルス対策に関する合同ウエブ会見を開催した(リリース)。経済破綻を防ぐため、中小企業などを救済するファンドを設立する方針を示した。

会見の様子
会見の様子
(出所:JAMA)
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 会見でJAMA会長の豊田章男氏は「全世界で約9000兆円あったGDPが、3カ月で15~20%失われた」と指摘した。日本では108兆円の緊急経済対策が発表されたものの、「足元の状況は本当に苦しい」(同氏)と説明。「人類がコロナの脅威に打ち克つ日は必ず来るが、このままでは日本経済が疲弊し、崩壊しかねない」(同氏)とした。

 こうした中、自動車産業は「経済崩壊の歯止め役」になれるという。自動車産業には、約550万人の就業者がおり、これは日本の就業人口の約1割に当たる。

(出所:JAMA)
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 また、自動車の生産波及効果(1単位の生産が全産業生産に与える影響)は約2.5倍であり、全産業の平均値である1.78を上回り、日本の産業ではトップ水準だという。「自動車産業が踏ん張って経済を回し続け、雇用を守ることが崩壊を食い止めるための大きな力になる」(同氏)という。

(出所:JAMA)
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 今回、マスクや医療用シールドなど、必要なものが手に入らない状況が多発したが、「このような時に必要なものを自ら作れる能力は極めて重要」(同氏)とする。自動車産業など、ものづくりに関する技術や人材は「絶対に失ってはならない」(同氏)と強調した。

 苦境にあえぐ自動車関連企業を救済する仕組みとして、自動車4団体はファンドを設立する方針である。「今は致命傷を受けないことが重要だ。致命傷とは、技術と人材を失うこと。そのために互助会のような仕組みが必要」(同氏)とする。

 「どのような技術や人材が必要で、誰が困っているのかなど、我々が目利きする。その上で自動車業界内で互いに助け合う。会社を閉めざるを得なくても、そこの人材を他社が受け入れるなど、業界全体で救済する」(同氏)。

 具体的な金額規模については明らかにしなかったが、「1つの会社、業界団体でまかなえるような金額ではない」(同氏)と述べた。「トヨタを例にいうと、売上高30兆円の7割が購入部品だ。これが20%減少すると、トヨタで6兆円、部品メーカーで4兆円下がる。これがここ数カ月で起きた」(同氏)。

 「今はどんな仕事でもやりながら、なんとか雇用を維持し、世の中の役に立つようにがんばる。そしてコロナの終息に備えて、スタートダッシュできる体制を整えることが重要だ。その間のつなぎの期間に、仲間が死んでしまってはどうにもならない。相当な規模の金額が必要になる」(同氏)と述べた。