3メガバンクが2021年春に入社する新卒採用数を合計1440人とし、前年の2020年卒採用と比べて15%減らすことが分かった。背景にはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といったITの導入による業務効率化やマイナス金利による収益圧迫がある。
企業名 | 採用予定数 | 前年度比 | デジタル人材採用への取り組み |
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三菱UFJ銀行 | 400 | 22%減 | 2019年から始めたデジタル人材採用のための有償型インターンシップを拡充 |
三井住友銀行 | 530 | 16%減 | 2019年卒採用から始めたデジタライゼーションコース採用を強化 |
みずほフィナンシャルグループ | 510 | 7%減 | FinTechなどに詳しい理系人材を積極的に採用 |
合計 | 1440 | 15%減 | ― |
3メガバンクはともに、「デジタル人材の獲得を視野に入れ、有償型のインターンシップを2019年から開始」(三菱UFJ銀行)するなど、デジタル人材の採用を増やす。ただ全体では、三菱UFJ銀行は22%減の400人、三井住友銀行は16%減の530人、みずほフィナンシャルグループは7%減の510人の採用となり、採用数を絞る予定だ。2016年卒採用では3メガバンク合計で5000人規模だったが、そこから5年連続で減らし続け、2021年卒採用では3分の1以下になった。
かつてメガバンクは1行で新卒採用数が1000人を超えることも珍しくなく、大量採用の代名詞だった。毎年春の内定時期には「苦労して集めた内定者から、メガバンクの内定が出たといって辞退される」との人事担当者の悲話が風物詩だったが、時代は変わった。メガバンクの新卒採用数「劇減」は他業界の採用に思わぬ影響を与え始めている。