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 「決めました。GMOは印鑑を廃止します」。GMOインターネットの熊谷正寿会長兼社長は2020年4月15日、こうTwitterに投稿した。竹本直一IT・科学技術担当相が前日、紙の書類へのなつ印がテレワークの妨げになっているのではないかとの指摘に対して「民・民の取引で支障になっているケースが多い」と発言したことに対応した。

 GMOインターネットは4月17日、書類へのなつ印を廃止しグループ全体で手続きを「印鑑レス」にすると発表した。監督官庁や金融機関との手続きで必要になる書類を除いて、顧客企業との契約はペーパーレスの電子契約だけにするという。

GMOインターネットは印鑑レスを即日実施

 GMOインターネットは発表当日の正午から、同社サービスの手続きでなつ印を廃止した。具体的には、大口の法人顧客によるクラウドサービスの申し込みと解約の手続きがなつ印を不要とした。グループ各社もサービスの申し込み手続きなどでなつ印を無くす方向で検討している。GMOクリック証券は同日、法人口座の解約手続きでなつ印を廃止した。法人の口座開設についてもなつ印を無くす方向で検討しているという。

 取引先との契約についても、電子契約へと順次切り替える。具体的な切り替え作業は相手となる取引先との関係性に応じて進める。GMOインターネットが発注側となる契約については比較的切り替えが容易とみる。同社が受注する立場の契約については相手側に合わせる必要があるため、より時間がかかるという。ただ外出自粛による在宅勤務が広がるなか、「電子契約への切り替えを従来より進めやすくなっている」(GMOインターネット広報)という。

 GMOインターネットは他企業に対して、企業の印鑑レスや電子契約の導入を支援する電子契約サービスの無償提供も始めた。GMOクラウドが提供する「GMO電子契約サービスAgree」の「Standardプラン」で、無償になる期間は4月17日から1年間とした。電子サインのほか、電子証明書による電子署名が可能だ。

GMOあおぞらネット銀行における現在の口座開設申込書
GMOあおぞらネット銀行における現在の口座開設申込書
(出所:GMOあおぞらネット銀行)
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 GMOあおぞらネット銀行も呼応した。4月17日、法人顧客がオンライン手続きだけで口座を開設できるようにするためのシステム改修などに最優先で取り組むと発表した。まず2020年第1四半期(4~6月)にも、口座開設申込書に印鑑(実印)を押さなくても済むよう手続きなどを改める。関連システムの改修を進めるほか、実印に代わる厳格な実在確認の手段を検討する。同意の取得方法や規約の一部見直しなどが対象という。その後も口座開設に必要な書類を郵送ではなくネット経由でアップロードするなど、各種申請をオンラインで手続きできるようにペーパーレス化する。