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 消費者の心をつかむ独創的な商品パッケージを、素早く効率的に作り出せるか。アサヒグループホールディングスがAI(人工知能)を使った商品パッケージの自動生成に挑んでいる。独創的な商品パッケージを生成するシステムの試験運用を2020年4月に始めた。あなたが手にするヒット商品のパッケージをAIが生み出す日は訪れるのか。

 パッケージは商品の顔であり、売れ行きを大きく左右する。流行や時節によっても消費者の好みは変わる。魅力的で独創的な商品パッケージを、素早く世に出すためにはどうすればよいのか。同社が取り組んだのが、商品パッケージを生成・評価するAIシステムの開発だ。AIベンチャーのCogent Labsと共同で「AIクリエーターシステム」を開発した。

ディープラーニングでデザインを生成・評価

 AIクリエーターシステムは大きく2つの機能を備えている。保存した画像から多数のデザイン案を自動的に作り出す「デザイン生成システム」と、生成されたデザイン案に点数を付ける「デザイン評価システム」である。どちらもディープラーニングを活用している。

AIクリエーターシステムの概要
AIクリエーターシステムの概要
(出所:アサヒグループホールディングス)
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 利用者がデザイン生成システムに「女性向け」「スッキリ」「朝」といったキーワードをいくつか入力すると、保存した画像をAIが加工してキーワードのイメージに近いパッケージデザイン案を複数表示する。現段階でコーヒーやお茶、健康飲料、ジュースといった4つのカテゴリーがあり、カテゴリーごとにパッケージデザインを生成できる。「カテゴリーを簡単に追加できるように設計した。今後増やしていく予定だ」(アサヒプロマネジメントの岡田龍ITイノベーション戦略部戦略企画グループシニアマネジャー)。

AIクリエーターシステムで生成したパッケージの一例
AIクリエーターシステムで生成したパッケージの一例
(出所:アサヒグループホールディングス)
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 パッケージの基になる画像を現段階で約6000枚用意した。それぞれの画像にはAIを使って、属性を示すタグや色味を判断するカラーコードを付けた。画像に付与した情報を基に、利用者が入力したキーワードに近い画像を組み合わせてパッケージデザインを生成する仕組みである。利用するアルゴリズムは画像認識などに強い深層学習の一種、CNN(Convolutional Neural Network、たたみ込みニューラルネットワーク)を基にCogent Labsが独自に開発したという。