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 三菱電機は、小型で水平検知角が広い3次元LIDAR(レーザーレーダー)を開発した。MEMS(微⼩電⼦機械システム)方式を採用するメカレス型の製品で、「レベル3」以上の自動運転用センサーとしての利用を見込む。

 車載向け小型LIDAR市場は現在、“優勝劣敗”の時代に入っている。同社は今後、さらなる小型化や垂直検知角の拡大、コスト低減を進め、2025年以降の実用化を目指す(図1)。

MEMS式LIDARの開発品
図1 MEMS式LIDARの開発品
小型で水平検知角が広いのが特徴。実用化の時点では、開発品の約1/3まで小型化する計画である。(出所:三菱電機)
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 三菱電機の開発品は、水平と垂直の2軸で走査する電磁駆動式のMEMSミラーを搭載する。レーザー光の照射と反射光の受信に、同ミラーを使う。具体的には、波長905nmのレーザー光をミラーを使って前方に照射し、対象物(車両や歩行者など)に反射して帰ってくるまでの時間を基に、対象物までの距離を測定する。2軸で走査するため、対象物を立体的に識別できる(図2)。

試作品で取得した3次元画像
図2 試作品で取得した3次元画像
車両前方の広い範囲における車両や歩行者を立体的にとらえられる。(出所:三菱電機)
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 MEMS方式のLIDARを使って高精細の3次元画像を広い範囲で取得するには、レーザー光を広範囲に照射し、反射光をより多く集める必要がある。そのためには、MEMSミラーの大型化や振れ幅(振れ角)の拡大が求められる。ミラーの面積が大きいほど、反射光をより多く集められる。ミラーの振れ角が大きいほど、検知範囲(検知角)を広くできる。ミラーの触れ角の2倍が、LIDARの水平検知角となる。