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 楽天が法人向けに提供するPCR検査キットが物議を醸している。日本医師会の釜萢敏常任理事は2020年4月22日に開催した会見で、同検査キットに対して「危惧の念を抱いている」と強調した。

会見で説明する日本医師会の釜萢敏常任理事
会見で説明する日本医師会の釜萢敏常任理事
(写真:日経クロステック)

 楽天のPCR検査キットでは、利用者が鼻の奥まで綿棒を入れて鼻咽頭から検体を採取。楽天が出資するジェネシスヘルスケアが検体を処理してPCR検査を実施し、新型コロナウイルスに特徴的なRNA配列が検出されるかを調べる。医療機器としての承認は得ておらず、医学的な診断を示すことはできない。

 医師会の懸念は、(1)利用者が検体を採取する際にウイルスを周囲に感染させる可能性がある、(2)利用者の検体採取が不適切な可能性がありPCR検査の結果を信用できない、(3)偽陰性の結果を受けて外出などすると感染を広げてしまう、(4)ウイルスが検出されたとの結果を受けて利用者が医療機関を受診しても現場の対応が困難、などである。

 釜萢常任理事は「(利用者が)自分で検体を採取して検査するのはリスクが高いと考えざるを得ない。政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議においても、同検査キットに対する問題意識が示された」と説明。交流サイト(SNS)上などでも多数の医療関係者が同検査キットへの懸念を示している。