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 「スマートシティ化を目的に企画した行政サービスが、結果として新型コロナ下で機能している」――。

 福岡市の井上雄介総務企画局企画調整部課長は同市の行政サービスについてこう説明する。福岡市は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市民に外出自粛を求める一方でメッセージングアプリの「LINE」とQRコード決済サービス「LINE Pay」を活用して外出および人同士の接触を減らす取り組みを進めている。

粗大ゴミや引っ越しをLINE上で手続き

 代表例が粗大ゴミの回収申し込みだ。多くの自治体で申し込み自体はWebサイトでできるようにしているが、粗大ゴミの処理券は住民がコンビニエンスストアなどに出向いて購入する必要がある。これを福岡市では2020年1月から申し込みと処理券の支払いをLINE Payで完結できるようにした。

福岡市はLINE上で粗大ゴミ処理券を購入できるようにしている
福岡市はLINE上で粗大ゴミ処理券を購入できるようにしている
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 そのほかにも福岡市は2019年4月に固定資産税・都市計画税、軽自動車税、個人市県民税などをLINE Payで支払えるようにしている。福岡市民はコンビニや金融機関、市役所納税課といった窓口に出向いて支払う必要がなくなったわけだ。

 とは言え市役所などの窓口に出向かなくてはいけない手続きも残るが、「できるだけ時間を短くするようにしている」(井上課長)という。例えば2020年3月9日からは引っ越しの手続きや各種証明に必要な書類、窓口の混雑状況について福岡市のLINE公式アカウントから確認できるようにした。

 さらに引っ越し手続きをLINE上でオンライン予約できるようにもした。必要な情報を先に入力しておくことで、市役所窓口での手続きにかかる時間が短く済むようになった。「混雑時には1時間ほど待つ場合もあったが、オンライン予約の場合は10分ほどで済むようになった」(井上課長)。