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 スウェーデン・ボルボ(Volvo Cars)が、車両周囲の状況を監視するセンサーとしてLIDAR(レーザーレーダー)を標準搭載する方針を決めた。高速道路での自動運転機能を実現するために必要だと判断した(図1)。第1弾の車両は、2022年に量産を予定する大型SUV(多目的スポーツ車)「XC90」の全面改良車の予定である。

図1 LIDARで取得した高速道路のデータ
図1 LIDARで取得した高速道路のデータ
ボルボは米ベンチャーのルミナー製のLIDARを採用。障害物の把握や自車位置の推定などに使う。(出所:ボルボ)
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 ボルボは高速道路上で自動運転できる機能を2022年に実用化する計画で、それに合わせて中大型車向けのプラットフォーム(PF)を刷新する。新PFは「SPA(Scalable Product Architecture)2」。現行のプラットフォーム「SPA」の実用化が始まったのが2015年で、最上位SUV(多目的スポーツ車)「XC90」を皮切りに、「90シリーズ」と「60シリーズ」に広く展開している。約7年で世代交代させる。

 「(SPA2で実用化する高速道路上での)自動運転機能を実現するためにはLIDARが不可欠だと判断した」。“第3のセンサー”の必要性を語るのは、ボルボ最高技術責任者(CTO)のヘンリック・グリーン(Henrik Green)氏だ。同社は2020年5月6日、将来的にSPA2を適用する全ての車両にLIDARを搭載すると発表した。

曲がり角のLIDAR(前編):ソニーは生き残れるか、LIDARに淘汰の波
曲がり角のLIDAR(後編):メガサプライヤーが反撃へ

LIDARは天井に配置

 現行のSPAの車両は、周辺監視用センサーとしてカメラとミリ波レーダーを採用している。緊急時の自動ブレーキや先行車の追従などのADAS(先進運転支援システム)では必要十分だが、自動運転車では「カメラとミリ波レーダーだけでは確保できない信頼性をLIDARで補う必要があった」(ボルボ)という。

 LIDARは前方監視用で、天井の前部に埋め込んだ(図2)。Volvoがこれまでに公開してきた自動運転の試験車両では大型のLIDARが天井上に鎮座していた(図3)。一般消費者向けに発売する新型車では外観デザインに配慮した。

図2 天井にLIDARを埋め込む
図2 天井にLIDARを埋め込む
ボルボが公開した次世代車両のイメージ画像。薄型のLIDARを採用することで、外観デザインや空力性能を損ねないようにした。(出所:ボルボ)
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図3 自動運転の試験車両の天井に大型LIDARが鎮座
図3 自動運転の試験車両の天井に大型LIDARが鎮座
ボルボと米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)が共同開発した自動運転車の量産モデル。(出所:ボルボ)
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