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 自民党はIT政策提言「デジタル・ニッポン2020」を2020年5月中にまとめる。6月に閣議決定される政府のIT戦略をにらみ、デジタル政策を提言する。

 どんな内容になりそうか、デジタル・ニッポン2020を取りまとめている自民党デジタル社会推進特別委員長の平井卓也衆院議員に聞いた。

自民党デジタル社会推進特別委員長の平井卓也衆院議員
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自民党デジタル社会推進特別委員長の平井卓也衆院議員

 提言は新型コロナウイルスの大流行に伴う急速な社会のデジタル化を踏まえたものになる。

 「デジタル田園都市国家」。平井議員は目指す国家像をこんな言葉で表現する。1979年1月に、大平正芳首相(当時、故人)が国会施政方針演説で発表した「田園都市国家構想」から取ったものだ。「都市の持つ高い生産性、良質な情報と、田園の持つ豊かな自然、潤いのある人間関係とを結合させ、健康でゆとりのある田園都市づくりの構想を進める」と大平元首相は語った。今は「デジタル化によって都市と地方に情報格差がなくなったのに加え、新型コロナの感染リスクは地方のほうが低い」(平井議員)という状況にある。

“逆都市化”が進む社会で経済成長を図る

 緊急事態宣言が出て在宅勤務に切り替えたことで、何のために毎日満員電車に揺られて通勤していたのか改めて考えさせられた都市部在住のビジネスパーソンも多いだろう。「“逆都市化”が進む社会で経済を成長させ、国民のQOL(生活の質)を上げる日本モデルをどう構築するかが提言の主眼の1つ」と平井議員は語る。

 通常は経済成長に伴って都市への人口集中が進むが、今後の日本は都市から地方への人口移動が起こるとみる。こうした“逆都市化”の中でも経済を成長させるカギをデジタルが握る。

 地震や台風などの災害やパンデミックの際、デジタル活用によってリスクを減らすことも提言の大きなテーマだ。現に新型コロナ禍においても、様々な形でITが活用されている。会社や学校に行けない場合に在宅勤務やオンライン教育に切り替える、マイナンバーカードを使ったスマートフォンでの特別定額給付金の申請などオンラインで行政手続きを済ませる、携帯電話会社が持つ人の動きに関するデータを活用して対策を立てる――などだ。「中央集権型からデジタルを活用したリスク分散型社会の仕組みに移行する」(平井議員)

 企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに推し進める必要があることと、それに対する国の支援についても提言する。在宅勤務が主流となった場合、労働時間の管理の在り方が変わり、そもそも本社に大きなオフィスビルは要らなくなる。「働き方改革とDXはセット」(平井議員)とし、労働法制など関連する法律の見直しについても提言では踏み込む方針だ。