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 「新型コロナウイルス(新型コロナ)の影響を最小限に抑えて、前期は増収増益を達成できた。ただ、2020年4月以降は新型コロナが生産と販売に大きな影響を及ぼしており、今期の業績は見通せない」──。

 SUBARU(スバル)社長の中村知美氏は、2020年5月18日に開いた2019年度通期(2019年4月~2020年3月)の連結決算会見でこのように述べ、2020年度通期(2020年4月~2021年3月)は業績の維持が難しいとの見方を示した(図1)。

中村知美氏
図1 スバル社長の中村知美氏
(2019年11月に日経Automotiveが撮影)
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 スバルの主力市場である米国の20年4月の販売台数は、前年同期に比べて約47%減少した。同年5月は同35~40%の減少で推移している。日本の4月の販売(受注ベース、以下同じ)は、前年同期に比べて半減した。「5月の販売も現時点で、4月と同水準の減少率」(中村氏)という。

 このうち、世界販売の70%を占める米国市場について中村氏は、「年明けには新型コロナ発生前の正常な状態に戻ってほしいと願っているが、楽観視はしていない」とした。米国の生産拠点(SIA)は20年5月11日に生産を再開したが、「5月中の生産は5000台程度にとどまる」(同社副社長の細谷和男氏)という。6月以降は生産台数を増やす計画だが、通常操業に戻せる時期は見通せない。

 日本の生産拠点(群馬製作所)も20年5月11日に生産を再開したが、1直による生産調整を同年6月19日まで行う。6月22日から2直(通常操業)に戻す予定だ。細谷氏は、「米国と日本を合わせると、新型コロナの影響による減産は15万台を超える」との見通しを明かした。

 世界販売の減少によって20年度通期の業績悪化は避けられそうにないが、新車の投入計画は変えない。新型ステションワゴン「レヴォーグ」は当初の予定通り、20年後半に発売する計画だ。その他の新型車や部分改良車についても、計画通りに投入を進める。

 将来の成長に向けた投資も続ける。「現在の中期経営計画で掲げた“品質改革”やCASEなどに関する投資は減らさない」と、中村氏は強調した。