全1778文字

 ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社であるMONET Technologies(モネテクノロジーズ)は2020年夏をめどにMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)分野の汎用システム基盤「MONETプラットフォーム」の本格運用を始める。配車や決済などMaaSの構成要素となるシステムのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を広く公開し、MaaSに関わる交通事業者やIT企業などが利用できるようにする。

 MONETは2019年2月に事業を始めた。その後、乗用車メーカーのホンダ、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業、マツダに加え、商用車メーカーの日野自動車、いすゞ自動車も資本参加した。MONETは各地の自治体や交通事業者などと連携し、オンデマンド型バスや移動型診療所など、ITを活用した新しい移動サービスの実証実験を展開している。

長野県伊那市での実証実験で使った移動型診療所車両
長野県伊那市での実証実験で使った移動型診療所車両
(出所:MONET Technologies)
[画像のクリックで拡大表示]

新型コロナで実証実験休止も

 新型コロナウイルスの感染拡大はMONETにとって強い逆風だ。外出自粛のために人の移動需要が減退し、一部地域で実証実験を休止するなどの影響が出ているという。

MONET Technologiesの永井泰裕技術本部システム部システム開発課課長
MONET Technologiesの永井泰裕技術本部システム部システム開発課課長
[画像のクリックで拡大表示]

 MONETの永井泰裕技術本部システム部システム開発課課長は「コロナ禍のためMaaSで人の移動を促すという流れが停滞しているのは確か。しかし今のタイミングは今後に向けたターニングポイントになると考えている」と話す。MONETプラットフォームはMONETの事業開始時から計画していたものだが、あえてコロナ禍の今、投入する。

 MONETは、医療機関やコンビニエンスストアなどの役割を果たす車が顧客の近くまで移動してサービスを提供する構想を掲げてきた。当初は運転手が乗るが、将来的には自動運転車に置き換えることを狙う。新型コロナの影響で、フードデリバリーのようにサービス提供主体側が移動する流れはむしろ活発になっている。MONETはこの流れをうまく捉えたい考えだ。