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 2020年春、新型コロナの影響によって、部品調達や新製品開発の遅れに多くの機器メーカーが苦しむ中、同年4月下旬に開催した2020年1~3月期の決算発表の場で米アップル(Apple)はグローバルサプライチェーンが通常状態に戻りつつあると自信を見せた。その証左に、噂(うわさ)されていた販売時期よりやや遅れたものの、この春に新製品を次々と繰り出してきた。「MacBook Air」「iPad Pro」(いずれも3月)、「iPhone SE」(4月)、そして13型「MacBook Pro」(5月)と新製品ラッシュとなった。

第2世代のiPhone SE
第2世代のiPhone SE
本体色はブラックとホワイト、「(PRODUCT)RED」の3種類
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 販売面でも、直営店のほとんどが一時閉店した中で、アップルはオンライン販売で順調に売り上げを伸ばした。その結果、例えば2020年1~3月期のiPhoneの出荷台数は前年同期並みを維持。米IDCの調べによれば、台数シェアは13.3%で首位の韓国サムスン電子(Samsung Electronics)、2位の中国ファーウェイ(Huawei)に続く前年同期と同じ3位だったものの、前年同期比で出荷台数が15%以上減となったサムスン電子やファーウェイがシェアを落とした一方で、アップルはシェアを前年同期から1.5ポイント増やした(発表資料)。

2020年1~3月期のスマートフォンの出荷台数。米IDC調べ(出典:IDC)
2020年1~3月期のスマートフォンの出荷台数。米IDC調べ(出典:IDC)
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 このようにアップルは、日本の電機メーカーがコロナ禍の影響で挙げがちな、部品調達や製造(組み立て)の遅延、製品の販路制限、在宅勤務による開発遅れといった影響を最小限にとどめている。なぜアップルはそれが可能だったのか。