全1487文字
PR

 「今こそ再建の時期だ。規模の拡大を前提にしたこれまでの手法を改める」──。フランス・ルノー(Renault)会長のジャンドミニク・スナール氏は、ルノーと日産自動車、三菱自動車が2020年5月27日に開いたアライアンス(日仏3社連合)の会見でこのように述べ、競争力と収益力の強化に軸足を置いた事業モデルに転換をすると強調した(図1)。

ジャンドミニク・スナール氏
図1 ルノー会長のジャンドミニク・スナール氏
アライアンスオペレーティングボード議長を兼務する。(オンライン中継の画面をチャプチャー)
[画像のクリックで拡大表示]

 世界の自動車市場が縮小する中で、これまで日仏3社連合は規模の拡大を追求してきた。そこに、新型コロナウイルス(新型コロナ)の世界的な感染拡大が直撃し、3社の業績は急速に悪化した。新型コロナが収束しても、世界の自動車市場が感染前の規模に戻るとは限らない。市場の変化に合わせた事業モデルに変えていかないと、業績の回復は難しい。

 こうした判断から日仏3社連合は今回、新たな取り組みの概要を発表した。その柱は、各社が主導して開発する車種と技術、主に担当する市場を分担すること。選択と集中を強化することで、競争力と収益力の強化を目指す。

 日産社長兼CEO(最高経営責任者)の内田誠氏は、「アライアンスのシナジーはこれまでも出ていたが、新たな取り組みによって3社の連携をさらに強化する」とした(図2)。また、ルノーと日産の経営統合問題についてスナール氏は、「合併は必要ない」と述べ、しばらく経営統合問題を棚上げする意向を示した。

内田誠氏
図2 日産自動車社長兼CEOの内田誠氏
(オンライン中継の画面をチャプチャー)
[画像のクリックで拡大表示]

 車種や市場の選択と集中を強化するため、「リーダーとフォロワー」という枠組みを導入する。ある会社がリーダー企業になった場合に、他の2社がフォロワー企業となってリーダー企業を支援するものである。日仏3社連合はこの枠組みを、車両の開発・生産や新技術の開発、参入している市場などに導入する。これにより、3社全体の投資額を40%減らすことを目指す。