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 新型コロナウイルスの感染が最初に見つかった中国では、感染者が急増し一時深刻な状況に陥った。結果的には早期の沈静化に成功したとされる。ビッグデータ分析のサービスやツールを提供する米テラデータ(Teradata)は、この中国における感染抑制策を支援した。

 同社は当局から依頼を受けて、データ解析を支援した。そのデータ量は毎日20テラバイト以上で、24時間体制でサービスを提供してきたという。

 ビッグデータの活用が、どのように新型コロナの封じ込めに役立ったのか。テラデータの日本法人である日本テラデータでプロジェクトに関わったコンサルタントが内情を明かした。

スマホアプリを使って国民の感染リスクを分析

 同社の中山思遠インダストリーコンサルティング金融サービスシニアコンサルタントは、今回のプロジェクトを日本から指揮し、中国のメンバーと共に進めた。中国清華大学大学院博士課程に在学中の学生でもある。

日本テラデータの中山思遠インダストリーコンサルティング金融サービスシニアコンサルタント
日本テラデータの中山思遠インダストリーコンサルティング金融サービスシニアコンサルタント
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 中山シニアコンサルタントは「中国当局は2020年1月の相当早い段階でデータの収集や活用の重要性に気づき、動き始めた」という。当局がある程度の強制力を持って国民の個人情報を収集し、その分析結果を感染抑止に役立てた。

 中国大手通信会社は1月20日までにビッグデータ解析チームを立ち上げて、当局にデータを提供した。そのデータによって、当局はスマートフォンを持つ中国国民の行動を追跡できるようになった。

健康データ収集の基本的な考え方。携帯電話事業者が提供する移動情報や本人への質問などの情報を一元管理
健康データ収集の基本的な考え方。携帯電話事業者が提供する移動情報や本人への質問などの情報を一元管理
(出所:日本テラデータ)
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 追跡に利用したのは、決済アプリ「アリペイ」などに当局が機能を追加したもの。利用者は当日の発熱状況や感染者との接触の有無などの質問にアプリ上で答える。その結果と、行動履歴からリスクの高い地域に行ったかどうかといった情報を分析して、感染リスクの高さを青・黄・赤などの色で示すようにした。