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 政府は2020年5月27日、緊急経済対策の第2弾となる第2次補正予算案を閣議決定した。デジタル関連の政策は主要なもので560億円を超え、新型コロナウイルスの感染予防と経済活動を両立させていく「ウィズコロナ」関連の支援政策に重点配分した。

 なかでもウィズコロナを象徴するデジタル政策といえるのが、人同士の感染を防ぎやすい生活様式や店舗・オフィス形態などを人工知能(AI)などで検証する事業である。これまで光回線を導入できなかった地方の小・中・高等学校を想定した光ファイバーの整備支援、中央省庁の会合をリモート化するためのインフラ整備など、リモート化の促進にも幅広く予算を配分した。

2020年度第2次補正予算案の主なデジタル関連政策
担当省庁項目金額
内閣官房Web会議に対応した省庁間ネットワーク(霞が関WAN)整備7.5億円
AIや科学計算を使った新しい生活様式・店舗経営などの検証14.4億円
政府機関の情報セキュリティの機能強化0.2億円
医療分野のサイバーセキュリティー対策3.2億円
内閣府企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のオンライン化2.6億円
総務省学校を含めた不採算地域での光ファイバー網整備501.6億円
国土交通省Web会議対応などリモート環境整備31.2億円
法務省Web会議や検察庁取り調べなどリモート環境整備0.86億円

感染しにくく経営も成り立つ店舗・劇場モデルを探る

 感染防止と経済活動を両立させる生活様式などを検証する事業は、政府の新型コロナ対策やIT政策を主導する内閣官房が担当し、14億1000万円を投じる。店舗や公共施設、公共交通機関などが感染リスクを減らしつつ一定の経営効率も確保できるよう、モデルケースとなる運営形態をシミュレーション計算で検証し、成果を広く公開する。

 感染リスクが高い濃厚接触は、最新の指針では「人同士の間隔が1メートル以内で15分以上の接触」とされているが、現実は空間設計などに大きく依存する。「2メートルの間隔を空ける」とした以前の感染対策を劇場や映画館に当てはめると、入場できる観客数は収容能力の2割以下になるという試算もある。感染リスクを減らしながら経営効率を高める空間設計や施設運営の方法は、劇場や映画館をはじめ店舗を構えるサービス業の今後の経営を大きく左右する。

 今回の事業はまず感染リスクを低減させる生活様式や公共空間の設計をテーマに効果的なモデルケースを開発する研究グループを広く募集する。空間設計などに加え、社会的影響や経済分析などにテーマを広げることも検討する。2020年6月末~7月をメドに順次テーマを選定し、研究を始める計画だ。最終的には業種別のガイドライン作成などにつなげられる成果を目指す。

総務省、500億円で光ファイバー整備を前倒し

 第2次補正で最大となる501億6000万円を投じるのは、総務省による光ファイバー回線の整備事業だ。想定するのはへき地などで光回線が提供されておらず、リモート授業の支障になっている小・中・高等学校である。そうした地域で通信事業者や地方自治体が光ファイバー網を整備する場合、最大で9割を超える費用を国が負担する。