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 金融機関の大同団結が続けざまに実現した。2020年6月、2つのサービスが始動する。1つが、トッパン・フォームズが運営する「AIRPOST」。個人ユーザーが自身の情報を事業者と共有できるサービスだ。もう1つは、NECが手掛ける「マルチバンク本人確認プラットフォーム」。本人同意の上で銀行が、KYC(Know Your Customer)済みの顧客情報を外部事業者と連携できる仕組みである。共通するのは、メガバンクなど主要な金融機関が参画する点だ。

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 「個社ごとに取り組む世界ではない」。トッパン・フォームズRCS推進部長の本多英明氏は語る。同社が6月下旬にリリースするAIRPOSTには、三菱UFJ銀行や東京海上日動火災保険などが参画を決めているほか、三井住友銀行、みずほ銀行、日本生命保険、野村証券など多岐にわたる金融機関が参画を検討している。

 使い方は次の通りだ。個人ユーザーがAIRPOSTにアカウント登録をする際、氏名や住所といった本人情報を入力。指定した複数の事業者に対して、オンライン上で自分の情報を共有できる。

 第1弾として、口座振替の申し込みを支援するサービスを始める。ユーザーは本人情報に加えて、引き落とし口座やeKYCの情報を登録。これらを銀行や収納企業が取得し、口座振替の申し込みを受け付ける。2020年中には、住所変更情報などを1度に複数の事業者に提供できるようにもする方針だ。

 AIRPOSTに参画する金融機関などの事業者も、事務手続きの効率化といったメリットを享受できる。さらに顧客情報を最新の状態に保ちやすくなるため、金融機関にとっては「FATF(金融活動作業部会)」対策にもなりそうだ。

 参画事業者が多いほどAIRPOSTの魅力は増す。1度入力した情報を様々な手続きで使い回せるようになるからだ。