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 「十分に潜在能力を持つ会社だ」。丸紅 金融・リース事業本部金融・リース事業第三課長の入江智士氏は、FinTech企業のシンガポールAND Globalについてこう話す。丸紅は2020年4月、AND Globalのサービスや技術の世界展開に協力することで提携した。「短期間での成果は想定していないが、成長軌道に早く乗る可能性もある」と入江氏は期待を寄せる。

(出所:日経FinTech 、 LendMN(Webサイト))
(出所:日経FinTech 、 LendMN(Webサイト))
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 AND Globalは、スマートフォンを利用した少額融資サービス「LendMN」やeウォレット「LendMN Wallet」の事業をモンゴルを中心に展開しているスタートアップ企業だ。利用者数はLendMNが約18万人、LendMN Walletが約38万人に達する。「モンゴルの人口は300万人強。高いシェアを獲得しているとみなせる」(入江氏)。運営子会社のモンゴルLendMNは2018年にモンゴル証券取引所で上場を果たした。

 躍進を支える原動力の1つが、AI(人工知能)を活用した与信をはじめとする技術力だ。100万トゥグルグ(約4万円)までを最大30日間、無担保で融資するLendMNでは、与信の精度が事業の鍵を握る。AND Globalによると、ローン返済率は約98.5%。「貸倒率の低さが、同社の技術力の高さを裏付けている」(入江氏)。

 外部サービス事業者との連携にも意欲的だ。LendMN Walletからは電気・ガス・水道など公共料金の支払い、フードデリバリーや映画館、旅行の予約が可能。資金の借り入れにLendMNも利用できる。

 丸紅は、AND Globalの融資サービスやeウォレットをモンゴル以外の国に展開していく。AND Globalは既にフィリピンで融資サービスをテスト運用中。丸紅はフィリピンで手掛けている既存ビジネスとの連携やビジネスパートナーの紹介などにより、まず同国における事業の本格展開を後押しする。

 並行して、融資サービスを構成する技術の「バラ売り」を進める。金融機関や事業会社、サービス基盤事業者などに「サービスに組み込める部品」として与信技術などの活用を働きかける。「与信は応用範囲が広い。当社のパートナーやグループ会社がDX(デジタル変革)の一環で利用する可能性もある」(入江氏)。