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 ホンダは2020年6月8日午前から社内ネットワークで大規模なシステム障害が発生していることを明らかにした。翌9日の午後1時時点で原因の特定に至っていないが、同社はサイバー攻撃の可能性も含めて調査している。過去にもたびたびサイバー攻撃のターゲットとされてきた同社。今回も一時的ながら工場内のシステムに影響を及ぼすなど、製造業におけるサイバーリスクが改めて浮き彫りとなった格好だ。

 8日は一時、国内工場の検査システムなどが使えなくなっていたが、同日中に復旧し、工場は正常稼働に戻った。一方、問題が残っているのが本社などのオフィスに勤務する従業員が使うパソコンだ。9日午後1時時点では解決に至っておらず、パソコンを全く使えない状況に陥っている。

8日午前に社内からの問い合わせ殺到

 ホンダ広報の説明によれば8日午前中に、従業員から社内のヘルプデスクへ「パソコンがうまく動作しない」「社内システムへのログインができない」といった問い合わせが殺到したという。情報システム部門はサイバー攻撃を含むセキュリティー上の懸念があると判断。緊急時の全社連絡網を使って、在宅勤務者を含む全従業員に「パソコンをシャットダウンして使わないように」という指示を出した。

 原因については、「パソコン側の問題か、社内システム側の問題かという点を含めて、現時点では詳細を把握していない。障害の原因を調査中だ」(広報)という。