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 NTTデータがクレジットカードなどの決済インフラである「CAFIS」の利用料の見直しに動いた。これまでは主に決済件数を基に利用料を算出していたが、新たに決済金額に応じて料金を決める仕組みを一部で導入する。公正取引委員会がCAFISの利用料に関する課題を指摘しており、NTTデータはこうした動きも踏まえ、対応に乗り出した形だ。

 「キャッシュレスでの少額決済が増えていくなかで(CAFISの料金見直しは)半公共的機関の宿命だろう」。メガバンクグループ系の大手カード会社の関係者はNTTデータの発表を見て、こう漏らした。

公正取引委員会は報告書でCAFISの利用料問題を指摘
公正取引委員会は報告書でCAFISの利用料問題を指摘
(出所:公正取引委員会)
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 NTTデータは2020年10月1日から新料金を適用する。料金改定のポイントは2つ。1つはクレジットカード取引においてカード会社が負担する利用料の見直しだ。従来は1件当たり最大3.15円が必要だったが、新料金では決済金額が1000円以下なら決済金額の0.3%に見直す。

 例えば、決済金額が100円であれば、カード会社は現状で最大3.15円をNTTデータ側に支払う必要があるが、新料金では0.3円になる。カード会社にとっては、加盟店に課す手数料を引き下げやすくなり、キャッシュレス決済の普及を後押しする可能性がある。

 もう1つのポイントは、スマホ決済サービスのアカウントへのチャージ時などに金融機関が支払う利用料の見直しだ。利用者が銀行口座からスマホ決済にチャージする場合、利用者とスマホ決済事業者の銀行口座間で資金を動かす必要がある。この取引にCAFISを使っており、利用料は金融機関が負担する。現状、金融機関はNTTデータ側に対して1件当たり最大3.15円を支払っているが、これを1件当たり1円まで引き下げる。