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 東芝ががん遺伝子治療への応用を目指して開発を進めてきたナノサイズカプセル「生分解性リポソーム」の実用化が1歩近づいた。共同研究先の信州大学医学部が、がん治療への有用性をマウスで確かめた。東芝はリポソームの組成の最適化のために機械学習を活用し、数百種類の物質から候補を絞り込んだ。

生分解性リポソーム
生分解性リポソーム
(出所:東芝)

 生分解性リポソームは、複数の脂質で構成される直径約100nmのカプセル。リポソームの中に細胞死を促す遺伝子のmRNAを入れて、治療に利用する。リポソームはがん細胞に取り込まれると、細胞内の酵素で壊れるようになっている。がん細胞は、リポソームの中から出てきたmRNAを基に、自ら細胞死を促すたんぱく質を生産することになり、最終的に死滅する。

 東芝は、開発した生分解性リポソームが、がんの遺伝子治療に応用できるかどうかを確かめるため、信州大学と共同研究を手掛けてきた。

 副作用を抑えるためには、がん細胞だけを狙って遺伝子を届けることが重要だ。信州大学が実施した動物実験では生分解性リポソームが、正常細胞と比較してがん細胞に33倍取り込まれやすいことが分かった。