食品スーパー大手のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)は2020年6月、来店客がスマートフォンを使い、レジに並ばず決済できるサービス「Scan&Go(スキャン&ゴー)」の本格展開を始めた。同サービスは富士通と共同開発し、2019年10月からカスミ本社や筑波大学内の店舗など一部で運用してきた。6月中旬以降、新たに東京都や千葉県などの14店に展開を拡大する。
レジの待ち行列解消と従業員の負荷軽減が期待される同サービスだが、使い勝手はどうなのか。記者が実際に試してみた。
バーコードを瞬時で認識
検証の場に選んだのは、東京都墨田区にある「フードスクエアカスミオリナス錦糸町店」。オフィスや住宅が立ち並ぶエリアで、ランチ時や夕方は大変混雑する店だ。
Scan&Goの機能は同社のスマホアプリ「U.S.M.H公式モバイルアプリ」から利用する。事前にクレジットカードを登録し、店舗で購入したい商品のバーコードを客自身がアプリで読み取ることでレジに並ばず決済を済ませる仕組みだ。アプリはGPS(全地球測位システム)で位置情報を取得しており、店舗に着くと「チェックイン」ボタンを押してScan&Goが利用できるようになる。
記者が商品のバーコードにスマホをかざすと瞬時に読み取り、アプリの画面には商品の金額と画像が表示された。「ネットスーパーのデータとひも付けて商品画像が出るようにしている」(USMHの担当者)という。
同じ商品を複数買う場合は1つだけ読み取って個数を入力する。UI(ユーザーインターフェース)は非常にシンプルでスマホの操作に慣れていない人でも使いやすい印象だ。
野菜や果物などバーコードが付いていない商品の場合は、近くに設置してあるバーコードを読み取る。