東京都が2020年6月3日に開設した東京都知事選挙(2020年7月5日投開票)の特設サイトを巡って不具合が生じている。東京都選挙管理委員会のサイトに掲載された特設サイトのURLは「http://2020tochijisen.tokyo/」。TLSというセキュリティー機能を使わずにアクセスするURLである。このURLでアクセスすると、多くのWebブラウザーは「保護されていない通信」と警告を表示する。

東京都あるいは都の選挙管理委員会が特設サイトのURLを記載ミスした可能性がある。そこでURLの先頭を「http」からTLSを有効にする「https」に変えてアクセスすると、東京都産業労働局の特設サイトや東京都高等学校文化連盟のサイトなど、別のサイトが表示された。サイバー攻撃だろうか。東京都に聞いた。

いち早く開設するためにTLS非対応にした
東京都の担当職員は6月22日午後2時30分時点で日経クロステックの取材に対して、TLS非対応で特設サイトを開設した理由について「1カ月程度で閉じるサイトであることと、いち早く開設することが理由」と回答した。サイトをTLSに対応させるには、TLSサーバー証明書を取得し、Webサーバーに証明書を登録する必要がある。この作業を省くためだったとしている。
一方、httpsに指定すると別サイトがなぜ表示されたのか。この点については、「『2020tochijisen.tokyo』は都知事選のために取得した独自ドメインであり、別サイトと共有していない。なぜそのような現象が起こるのか調査する」(都の担当職員)とした。