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 新型コロナウイルスの集団感染を防ぐため、企業は「働き方」に加え「働く場所」の改革も迫られる――。野村総合研究所(NRI)は2020年6月19日、「新型コロナウイルスにワークプレイスはどのように対処すべきか?」というテーマでメディア向けセミナーを開いた。

 新型コロナへの対応を巡っては経団連も5月14日に「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を発表。「2メートルを目安に距離を保った人員配置」「飛沫(ひまつ)感染を防ぐ広々とした座席などの設置」「建物全体や個別の作業スペースの換気」などを推奨した。

 NRIの亀津敦IT基盤技術戦略室上級研究員は経団連のガイドラインを引用しながら次のように指摘する。「出勤再開に伴い、従業員の安全確保と事業継続を担保するため、健康に配慮したオフィスの用意が急務となっている」。

 具体的には、(1)ウイルスの持ち込みを避ける出社時の水際対策、(2)3密(密閉・密集・密接)対策、(3)従業員の健康管理の3つの対策を挙げ、デジタル技術を活用した導入例や製品例を紹介した。

新型コロナウイルスの感染対策の体系
新型コロナウイルスの感染対策の体系
(出所:野村総合研究所)
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 (1)の水際対策では、発熱中の人を入館させないようにサーマル(熱検知)カメラをオフィスの入り口に設置する企業が増えている。

 (2)の3密対策のうち、密閉対策では新型コロナのような呼吸器系感染症への罹患(りかん)率を下げるため、空気質の改善が必要となる。空気の循環状況の把握には、二酸化炭素(CO2)濃度を簡易に測定できる安価なIoT(インターネット・オブ・シングズ)センサーが役立つ。

 密集対策としては監視カメラ画像のAI(人工知能)解析で室内の人と人の距離や人数を把握・警告する事例、密接対策としてはゲスト含むビルの入館者にバッチ型の行動センサーを着用してもらって人との接触履歴や会話時間などを分析する事例をそれぞれ説明した。

 (3)の従業員の健康管理では、指輪型などのウエアラブルデバイスによる体温管理が将来導入されるかもしれないと示唆した。