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 NTTデータが金属アディティブ製造(3Dプリンティング、Additive Manufacturing:AM)の専業子会社を設立したことが、日経ものづくりの取材で分かった。新会社は「NTTデータ ザムテクノロジーズ」(NTT DATA XAM Technologies Corporation)。営業開始は2020年7月。

 NTTデータエンジニアリングシステムズ(NDES、東京・大田)のAM事業を中核に、NTTデータのソフトウエア/システム構築技術と組み合わせて成長市場に打って出る(図1)。新会社の社長には、NTTデータ執行役員で、製造ITイノベーション事業本部長を務める佐々木裕氏が就任した。設立日は20年5月18日。事業拠点はNDESから引き継ぐ(図2)。

図1 NTTデータがアディティブ製造の子会社を設立
図1 NTTデータがアディティブ製造の子会社を設立
NTTデータエンジニアリングシステムズのアディティブ製造(AM)事業を分離して新会社に移管する。(取材を基に日経ものづくりが作成)
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図2 AMデザインラボ
図2 AMデザインラボ
NTTデータエンジニアリングシステムズから引き継ぐ「AMデザインラボ」(大阪府箕面市)が新会社の技術拠点だ。本社機能は東京都に置く。(出所:NTTデータ)
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 NDESは長らく、ドイツの大手AM装置メーカーEOS(イオス)の日本代理店として粉末床溶融結合(パウダーベッド)方式の金属AM装置を販売する傍ら、造形部品の受託製造(受託造形)を手掛けてきた(図3)。自動車や航空宇宙分野での高い実績を持つ。新会社にはこれらNDESの全てのAM事業を移管すると共に、従業員50人が移籍する。

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図3 金属3Dプリンターで出力した造形品の例
図3 金属3Dプリンターで出力した造形品の例
熱交換器(上)は表面積を最大化する形状が望ましい。マニホールド(下)はエンジンの排気管をまとめる構造物のため複雑形状を一体成形できると有利だ。どちらもAMの特性を生かせる分野といえる。(出所:NTTデータ)
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 世界的にAM市場は右肩上がりで成長しており、2030年には3兆円に達すると見られている*1。そこで、特に成長の著しい受託造形の事業を強化して売り上げに占める割合を引き上げる。EOSの代理店として金属AM装置の販売も継続する。この両輪により、現在は年間売上高40億円ほどのAM事業を、新会社では5年後に2.5倍の100億円まで伸ばす計画だ。

*1 「金属積層造形プロセス分野の技術戦略策定に向けて」,技術戦略研究センターレポート(TSC Foresight Vol.32),2019年2月8日,新エネルギー・産業技術総合開発機構.