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 新型コロナウイルス感染症流行の教訓からサプライチェーンの見直しが始まっている。今検討されているのは、感染症を含む災害などの非常時に備えてあらかじめ材料や部品の調達先を分散する方向である。しかし非常時にも事業を継続するための計画(BCP、Business Continuity Plan)で常に問題になるのは、安定調達のための調達先の分散が通常時の事業活動と矛盾することだ。調達先を分散すれば、1社当たりの発注量が少なくなるから、ボリュームによる価格交渉が難しくなってしまう。いつ生じるか分からない非常時のために、通常時にコストを上乗せしなければならない。

キャディ代表取締役社長の加藤勇志郎氏
キャディ代表取締役社長の加藤勇志郎氏
(出所:キャディとのWeb会議取材)
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 特に、多品種少量生産の業界では問題を解決しにくい。多品種少量生産では部品発注時のロットが小さいため、ただでさえ価格交渉が難しい。なるべく似たような部品を集めて同一の加工会社に発注し、1社当たりの量を増やして価格を交渉するようにせざるを得ない。どう対応すべきか頭を悩ませている担当者は多いはずだ。

 そんな中、BCP対応の調達分散とコスト削減を両立する「集散両立化」を唱えたWebセミナーが約200人を集めて2020年5月に開催された。開いたのは機械部品加工の受発注プラットフォームを運営するスタートアップのキャディ(東京・台東)。同社によれば、感染症を含めた災害などの非常時に備えて調達先を分散しても、集中購買並みのコスト低減が可能という。そんな虫のいい話があるのか。同社取締役社長の加藤勇志郎氏に具体的な数値も挙げて説明してもらった。