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 車載情報機器とiPhoneを連携させる米Apple(アップル)の「CarPlay」機能が新車市場を席巻している。同社によれば、世界の新車の約80%、米国ではそれを上回る97%の新車がCarPlayに対応するという。アップルは手を緩めることなく2020年6月開催の開発者会議「WWDC20」でCarPlayの強化策を打ち出した。同社はMaaS(Mobility as a Service)の総合企業を狙い、着々と歩みを進めている。

アップルによれば、世界の新車の約80%、米国ではそれを上回る97%の新車がCarPlayに対応するという
アップルによれば、世界の新車の約80%、米国ではそれを上回る97%の新車がCarPlayに対応するという
(画像:WWDC20での基調講演をキャプチャーしたもの)
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EV向け経路案内を追加

 アップルがCarPlayを発表したのは今から6年前の2014年3月である。対応する車載情報機器や車種は徐々に増え、今や多くの自動車で採用されるようになっている。CarPlayを利用することで、同機能に対応したiPhoneアプリを、車載ディスプレーを通じて利用できる。自動車業界の表現で言う、いわゆる「持ち込み機器」との連携である。

CarPlayモードで動作中の車載情報機器の画面。「iOS 14」から壁紙を変更可能になる
CarPlayモードで動作中の車載情報機器の画面。「iOS 14」から壁紙を変更可能になる
(画像:WWDC20での基調講演をキャプチャーしたもの)
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 「マップ」「電話」「ミュージック」「メッセージ」といったiPhoneアプリが車載ディスプレー上に表示され、ユーザーはアイコンをタッチしたり、車載機器のボタンを押したりすれば、各アプリを利用できる。例えばマップをカーナビとして、ミュージックをカーオーディオとして利用可能だ。音声対話機能「Siri」による操作にも対応する。

 一連のCarPlay対応アプリの中で、最も利用頻度が高いのがマップによるナビ機能だろう。アップルは20年秋に正式リリース予定のiPhone次期OS「iOS 14」で、マップによる電気自動車(EV)向け経路案内を追加した。EVのバッテリー(2次電池)残量や対応する充電器の種類に応じて、自動的に充電スタンドの場所を経路案内に追加・表示する。経路案内は標高や天候のデータも利用するという。ドイツBMWや米Ford Motor(フォード・モーター)が、このEV向け経路案内への対応を表明した。

「iOS 14」で、マップによるEV向け経路案内を追加
「iOS 14」で、マップによるEV向け経路案内を追加
(画像:WWDC20での基調講演をキャプチャーしたもの)
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 アップル純正のアプリだけでなく、サードパーティー製アプリもCarPlayに対応する。iOS14からCarPlay対応アプリのカテゴリーとして新たに「EVの充電スタンド(EV charging)」、「駐車場(Parking)」「食事の注文(Quick food ordering)」の3つを加えた。利用者はサードパーティーのアプリを使って、充電ステーションや駐車場の予約、ドライブスルーの注文などができるようになる。外部開発者に向けて、これらのカテゴリーのアプリを開発するUI(ユーザーインターフェース)テンプレートなどを用意した。

iOS14から新たに「EVの充電スタンド(EV charging)」、「駐車場(Parking)」「食事の注文(Quick food ordering)」を加えた。画面下側の3つのアイコンがそれらに相当する
iOS14から新たに「EVの充電スタンド(EV charging)」、「駐車場(Parking)」「食事の注文(Quick food ordering)」を加えた。画面下側の3つのアイコンがそれらに相当する
(画像:WWDC20での基調講演をキャプチャーしたもの)
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