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「99歳まで社長を続けてほしい」「孫さんと握手したい」「将来、日本の総理になって」――。

 ソフトバンクグループ(SBG)の株主総会では例年、議長を務める孫正義会長兼社長にこんな「質問」が次々と飛ぶ。ときには孫会長を褒め上げ、他の株主に拍手を促す株主も。かつてはSBG株の半分近くを個人が保有していた時期もあるほど、個人投資家人気に依存した同社ならではの光景だ。

企業統治の在り方を問われる

 だが2020年6月25日に同社が開催した第40回定時株主総会は様相が違った。今回、孫会長が回答した質問は全部で17個。中でも目立ったのが企業統治の在り方に対する質問だった。

株主総会で答えるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長
株主総会で答えるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長
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 「投資先企業のシナジー追求が全体的に甘い。誰が責任を持って強化するのか」「取締役の中に、孫さんの突っ走りに待ったをかけられる人物はいるのか」といった具合だ。SBGはこの日、社外取締役を2人から4人に増やす議案を可決した。

 孫会長の判断をチェックし、経営の透明性に目を光らせる。その役を担う社外取締役の増員は、2020年2月にSBG株の約3%を保有していると判明したアクティビスト(物言う株主)である米Elliott Management(エリオット・マネジメント)が、SBGに対して巨額の自社株買いとともに求めたとされる。

 孫ファンの多い株主から孫会長に、例年にない厳しい質問が飛んだのは無理もない。SBGは2020年3月期連結決算(国際会計基準)で、9615億7600万円もの最終赤字を計上したからだ。主因は成長戦略の中核と位置づけてきた投資事業の不振である。