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リモートワークを続けて見えたもの

 リモートワークをしばらく継続して、「今のところは、大きな問題などは感じていない」と宮本氏は話す。市原氏に依頼している作業について、作業効率や生産性は落ちてはいないという。リモートワークでの作業に取り組んだ当の市原氏も「特にやりづらいことなどはない」と話す。溶接技能者の育成活動「溶接塾」での利用を目的にもともと開発したIoT溶接機のテスト機会にもなっており、前述のように今後の方向や取り組みをじっくり検討する時間も取れるようになった。

 ただし、リモートワークの課題や限界も見えてきたという。「この環境(自宅で使うIoT溶接機)ではやはり、複雑な組み立て作業や加工作業は難しい場合がある。大きな部品での作業や組み立て、切断加工などはできない。それに、やはり工場にはいろいろな器具や装置がそろっているので、作業は楽に進められる。工場にある材料や機材を直接見ながら、どう作業すれば一番良いか検討できたら、と思うときもある」(市原氏)。ほぼ快適に業務ができているとはいえ、現在の形のリモートワークがずっと続くというのも現実的ではない、と考えている。

 宮本氏もリモートワークの課題について、「工場でなければできない仕事はやっぱりあって、そういう仕事が工場にいる自分にどうしても集中する。自分がクルマで送迎してでも熟練の職人さんを連れてきた方が、生産性が高いだろうと思う作業も確かにある」と言う。

クリエイティブ ワークス代表の宮本卓氏
クリエイティブ ワークス代表の宮本卓氏
(出所:クリエイティブ ワークスとのWeb会議取材)
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 新型コロナ関連の問題は、数カ月レベルでは解決しないといわれる。ウイルスに配慮した生活やビジネスは当分続くだろう。「状況がもう少し落ち着けば、市原氏を工場に戻すよう検討したいが、公共交通機関を使わずに営業のクルマで移動するなど、感染対策を考慮した働き方が当分続くだろう」と宮本氏は見ている。